大林宣彦から映画への、最後の“ラブレター”『海辺の映画館-キネマの玉手箱』が7月31日公開
『転校生』(82)、『時をかける少女』(83)、『さびしんぼう』(85)の“尾道三部作”など数多くの作品を手がけてきた名匠・大林宣彦。今春逝去した同監督の最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』が、7月31日(金)に公開されることが決まった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により公開が延期されていた本作。当初、4月10日の公開を予定していたが、その日、くしくも大林監督は82年の生涯を閉じ、全国の映画ファンは悲しみに包まれた。
そんな大勢に愛された監督が遺した最新作は、20年ぶりに自身の故郷である尾道で撮影された映画愛に満ちた一作。海辺の映画館を舞台にした、いわば“大林版ニュー・シネマ・パラダイス”である。閉館を迎えた「瀬戸内キネマ」のオールナイト興行をきっかけに、戦争の歴史をたどりながら無声映画、トーキー、アクション、ミュージカル…と様々な映画表現で展開。娯楽作でありながら底辺には戦争への辛辣なメッセージが流れ、それに打ち勝てるのは「映画」だと力強く伝える作品でもある。
先行きの見えない映画業界を鼓舞するように、映画愛と平和への想いが込められたエネルギッシュな物語。公開時に販売される劇場パンフレットにも「ねぇ、映画で僕らの未来変えて見ようよ――」という監督の最期の直筆メッセージが寄せられていることも新たに発表された。
戦後75年を迎えた2020年に、“映画の力”を信じて感動を届けてきた大林監督の楽しくも深いメッセージを、この夏、映画館で受け取ってほしい。
文/トライワークス
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