「映像研」湯浅政明監督『犬王』、本日オンライン映画祭で制作映像初公開!
『夜は短し歩けよ乙女』(17)やテレビアニメ「映像研には手を出すな!」の湯浅政明監督が、「ピンポン」などで知られる人気漫画家の松本大洋によるキャラクター原案で描くアニメーション映画『犬王』(2021年公開予定)。南北朝~室町時代に実在した能楽師の犬王と、盲目の琵琶法師である友魚(ともな)の友情をミュージカル調で綴る同作の最新情報が、本日16時にオンラインで公開されることが発表された。
今回の発表は、初のオンライン開催となる「アヌシー国際アニメーション映画祭2020」での新作プレゼンテーション企画「Work in Progress」に同作が選出されてのもの。本日16時より開幕する同映画祭のプログラム内動画にて、監督自らが“知られざる能楽師”をポップスターとして描く所以を明かし、現在制作中のアニメーションの一部や設定画、キャラクター原案を初公開する。
この動画で湯浅監督は、「(犬王は)不遇のなかにあってもとことん明るく、自分の生き方を自分で決める存在。友魚は盲目の琵琶法師で耳に聞こえたものから世界を認識していく。明るくて自分を肯定する力が強い犬王に出会って心を開き、二人でどんどん人気者になっていく」と解説。
また、キャラクター原案については「松本大洋さんらしい流麗な雰囲気を映像でも再現したい。真っ暗闇の中で、音がしたものから次々に画が見えていく様子を映像として表現したい」とテスト映像を披露しながらコメントした。
さらに、「伝統芸能というと難しそうなイメージがありますが、当時大衆に人気があったというのがおもしろいと感じたので、現代のパンクやハードロック、ヒップホップなど新しいジャンルのポップミュージックが登場し人々を熱狂させた瞬間のように、様々な自由な表現も入れながら描きたい」と演出方針を説明。
そして、「社会生活のなかで、なかなか報われないと感じている人も多くいるのではないかと思いますが、しっかりちゃんとやったものはどこかで残っていくものだ、というようなテーマをこの映画で伝えられたらと思いますし、こんな人がいたかもしれない、という犬王と友魚の二人の物語は、とても力強いものになりそうです」と、観る者にポジティブな気持ちを与える作風を目指すと語っている。
本日どんな映像や情報が公開されるのか。さらなる続報の到着を楽しみに待ちたい。
文/トライワークス