竜星涼、『ぐらんぶる』は「裸だからこそおもしろい!」みなぎるチャレンジ精神と俳優としての転機
「劇団☆新感線の舞台と『昭和元禄落語心中』で大きなものを得た」
2010年にドラマ「素直になれなくて」で俳優業をスタートさせた竜星。2013年の「獣電戦隊キョウリュウジャー」で桐生ダイゴ/キョウリュウレッド役を演じて注目を集め、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、ドラマ「アンナチュラル」など、数々の作品で強い存在感を発揮してきた。27歳となった今年は、俳優デビュー10周年となるメモリアルイヤー。俳優道を歩むうえでは、「自分は俳優に向いているのだろうか」と悩むこともあったと告白する。
「僕はわりと飽き性なほうなので、作品ごとに現場が変わったり、日々、変化が起きたりする生活は自分に向いているなという確信はありました。ただ、自分が俳優に向いているのかという自信は、ずっとありませんでした」と吐露。自身にとって転機となった作品について、こう語る。
「『この世界で生きていきたい』と本気で思えるようになったのは、自分のなかで自信を得ることができた瞬間なんじゃないかと思います。僕にとっては、劇団☆新感線の舞台(『修羅天魔 ~髑髏城の七人 Season極』)が大きな転機となりました。ステキな俳優さんも、才能がある人もたくさんいるなかで、すばらしい先輩方に囲まれ、いろいろな方に『良かったよ』と声をかけていただけた舞台でした。こんなにすばらしい先輩方が『良かった』と思ってくれるなら、僕のやっていることも意味があるなと思えた。自分に自信が持てて初めて、新しいことに飛び込んだり、そのなかで輝いたりすることもできるはず。ほしかった自信のようなものを、その時にいただけました」。
また、落語にトライした2018年のドラマ「昭和元禄落語心中」の経験も「落語にはお芝居のすべてが入っているので、ものすごく挑戦のしがいがありました。お客さんの前でたくさんの演目をやったことも、力になっています」と糧となったといい、年齢と共にすばらしい出会いを重ね、俳優として成長を遂げてきた。
本作では潔く裸になって俳優魂を見せるなど、チャレンジ精神みなぎる姿もなんとも魅力的。竜星は「プロデューサーさんなど製作の方々が、僕にこの作品を持ちかけてくださったことが、なによりうれしい。僕ら俳優にとっては、求められるということは本当にありがたいこと。ここまでコミカルな役どころも演じたことがないですし、これまでのイメージにないものを作れることもうれしい」とキッパリ。“新しい世界に飛び込んで、初めて見える景色”を描く本作との相性も、バッチリだ。
取材・文/成田おり枝