King & Prince永瀬廉、前髪パッツンで挑んだ『弱虫ペダル』は「僕のジャニーズ史に残る役作り」
「一番大事なのは熱量だから、僕の口から『無理です』とは言えなかったです」
メガホンをとったのは、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16)の三木康一郎監督だ。
「『弱虫ペダル』の原作やアニメも観ましたが、三木監督からは『原作の小野田坂道像は意識しなくていい』と言われました。もちろん全部を意識しないという意味ではなくて、坂道という人物を構成する上での基礎情報は踏まえるけれど、それよりも坂道という人物を、自分のなかでかみくだいて、僕ならではの坂道像を作り上げていくのかを考えてほしいと。実写化作品で言えば、舞台やドラマを意識しすぎてはいけないと思ったので、そちらは敢えて観ていません」。
過酷を極めたのが、自転車レースのシーンだ。永瀬は「ロードレースの熱量や疾走感、爽快感を、観ている人にどう伝えたらいいか」と考えながら、撮影前にとことんトレーニングにいそしんだ。
「自転車競技は、乗れば乗るほど力がついていくし、自分が速くなるというのが、実感としてわかるスポーツなので、とても楽しかったです。もちろん、撮影は大変でしたが、1カット1カット終わるたびに、すごく達成感がありました。撮影が終わったあとも、またすぐ自転車に乗りたいと思えたほどハマりました」。
永瀬たちは、勾配のキツい坂道を何度も自転車で登ってヘトヘトになったり、北風が吹きすさぶなかで走り続けたりと、自分の体を酷使しながら撮影に奮闘した。現場のスタッフが、弱音を吐かない永瀬たちの頑張りに、思わず目頭を熱くするというひと幕があったのも、大いにうなずけるところだ。
「正直、撮影中に『できないかもしれない』と思ったこともありました。でも、映画を観に来てくださる人が楽しんでくれるような作品にしたいと思うと、一番大事になるのは熱量だから、僕の口から『無理です』とは言えなかった。また、原作に対して失礼のないようにしたいという想いも強かったです」。