『青くて痛くて脆い』吉沢亮、杉咲花、柄本佑が赤裸々に語る、SNSとの付き合い方
「客観的に見たら、悲劇と喜劇は背中合わせかもしれない」(柄本)
――柄本さんはいかがですか?
柄本「僕は中学時代に、友達2人から仲間はずれにされ、それがきっかけで、俺対クラス全員みたいな感じになったことがあります。でも、僕はわりと鈍感なのか、不登校にはならず、学校はさぼらずに行くもんだと思っていたので、普通に行っていました。そしたら担任の先生に呼び出されたんです」
――先生が助けてくれたんですか?
柄本「いや、先生から『俺も長年、教師をやっているが、こんな状況はめったにない。辛いだろうけど、この状況を自分のなかで楽しめたらいいかもしれない』と言われたんです。その言い方で、いいのか悪いのかはわからないけど、俺はわりと気持ちがすっと楽になったんです。確かに、客観的に見たら、悲劇と喜劇は背中合わせかもしれないなと。結局、その後、首謀者2人と話し合う機会が持たれて、解決はしましたが」
杉咲、吉沢「良かった!」
――本作でも、自分の居場所を失った楓が、ある行動に出て、後半は一気に青春サスペンスと化します。楓と秋好が、お互いの感情をぶつけ合うシーンは、芝居的にも見せ場だったのではないかと。
吉沢「そうですね。前半が楽しくていいシーンばかりだったので、そこからの変わりようがすごすぎました。あのシーンを撮っている時は、お互いにひと言も喋らなかったです。極めつけに、楓が秋好から『気持ち悪い!』と言われてしまいますが、リアルすぎて僕は本気で傷つきました(苦笑)。現場の緊張感もハンパなかったです」
杉咲「すいません!なかなか、人に対してあんなにひどい言葉をぶつけることはないので、私自身も演じていてすごく苦しかったです。それまでの積み重ねもあったし、楓は『秋好が変わった』と言うけど、秋好自身は『楓が変わった』と思っている。あのシーンは精神的にもきつかったです」
吉沢「それぞれの正義感や信念を持っているからこそ、本人はすごく必死にもがいたり、苦しんだりするんだと思います。僕自身も痛いと感じたけど、なにかそこに愛おしさもあるような気もしました。きっと誰が観ても、共感していただける部分がたくさんある青春群像劇になっているので、それぞれの表情に注目して観ていただきたいです」
取材・文/山崎伸子