『喜劇 愛妻物語』濱田岳&水川あさみ、凸凹夫妻を作り上げた舞台裏にはハプニング満載
『百円の恋』(14)の脚本で知られる足立紳が、赤裸々な実録夫婦小説を自ら監督して映像化した『喜劇 愛妻物語』が9月11日(金)より公開となる。倦怠期を迎えた夫婦の姿を、四国への珍道中を通じてコミカルに描き、第32回東京国際映画祭では最優秀脚本賞に輝いた。本作でダメ夫の豪太と、その恐妻のチカを演じた濱田岳&水川あさみに、「珍事件がたくさん起きた」という撮影の舞台裏を、和気あいあいの雰囲気のなかで語ってもらった。
売れない脚本家の豪太(濱田岳)は大学時代に知り合ったチカ(水川あさみ)と結婚して10年目。新作の脚本執筆のために7歳の娘アキ(新津ちせ)を連れて高松に向かう夫婦だが、隙あらばセックスに持ち込みたい豪太にチカのイライラは募るばかりで、夫婦関係に危機が訪れる。
「“主演”って言われて胸踊らない俳優はいないと思うんですけど…」(濱田)
――監督ご夫婦がモデルという作品も珍しいですよね。台本を読んだ時の感想は?
濱田「そもそも台本って、どこか設計図のような感じと言いますか、カラクリがあってちょっとわかりづらかったりするんです。でも今回は監督ご自身が書かれた小説がベースになっているので、台本自体に一冊の本のようなおもしろさがありました。男の僕からすると、長年一緒にいるパートナーに相手にされなくなるっていうのは、まあ分からなくもないんですよ。でもこの台本には正直『こうはなりたくないな』という要素が満載で…(笑)。普通、“主演”って言われて胸踊らない俳優はいないと思うんですけど、今回ばかりは『うわあ、これかあ…』って(笑)」
水川「ガクーってね(笑)」
濱田「でもまさしく足立さんワールドと言いますか、『“恐妻”役が水川さんなんておもしろいなあ。その船乗った!』って感じでしたね。本当に役者に任せてくださるタイプの監督で、僕らのやりとりを見ながら監督自身が率先して笑っちゃっているような現場だったんです。そんな監督の姿を横目に見ながら『ということは、これはOKなのかな』って、終始予想してやっていくような感じでしたね」
――恐妻役を演じた水川さんはいかがでした?
水川「『こういう役を私に投げてくれるんだ!』っていうこと自体はすごくうれしかったんですけど、とてもエネルギッシュな役なので、思わず『うわ~これは大変そう』って(笑)。でもその直後には『え!?ガッくんが夫の役やるの?ありがとうございます!』と即決でした」