清原果耶、貫く愚直さ。初主演映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』から朝ドラ「おかえりモネ」まで
「桃井さんから、覇気というか、オーラみたいなものを感じました」
つばめ役については「どこにでもいるような普遍的な14歳の女の子」と捉えつつ「つばめ自身が抱えている悩みの“湿度”や“濃度”は、脚本を読んでいてすごく伝わってくるものがありました」と彼女ならではの表現をし、「そこをいかに丁寧にできるのかと、気をつけて演じていきました」という。
藤井監督からのオーダーは「好きなように、感じたままやってもらえたら」というものだったそう。「今回の役は、私自身と結構近かった気がします。もちろん自分が14歳の時、こんなにちゃんと悩めていたかというとそんなことないかもしれないけれど、私も結構考え込んでしまうタイプなので、スッとつばめに入れた気がします」。
伊藤健太郎演じる浅倉亨とつばめの距離感は、思春期ならではの初々しさがある。「亨くんに対しては、好きではあるけど、ただの恋ではなく、どちらかというと『憧れている』という要素が大きいんじゃないかと思いました。小さいころからやさしくしてもらった近所のお兄ちゃんということが、ちゃんと視覚的にも見えたらいいなと思いながら演じました。伊藤さんとは、お互いに役として現場に入ったので、常に他愛もない話をしていた気がします」。
本作で印象的なのが、ベテラン女優である桃井かおりと織りなす、書道教室屋上での二人芝居のシーンだ。「ものすごくいい経験になりました。桃井さんから覇気というか、オーラみたいなものを感じて、自分も頑張ろうと引き上げてもらった気がします。桃井さんは、監督にいろいろな提案をされていましたが、それを間近で見られたことは、すごく勉強になりました」。
桃井とのシーンは常に流動的で、時にはアドリブ満載のシーンもあったそう。「星ばあとバスを待っているシーンは、ほぼ全部アドリブの会話でした。でも、私がなにを言っても、桃井さんは的確に返してくださったので、気がつけば監督から『OK』が出ていたんです。私自身は、本当に大丈夫だったかな?と思うくらい、自然な会話ができました」。