『ホビット』“エクステンデッド版”より未公開シーンを解説…トーリンとスラインの親子愛、PJのセンスが光る五軍の合戦など

コラム

『ホビット』“エクステンデッド版”より未公開シーンを解説…トーリンとスラインの親子愛、PJのセンスが光る五軍の合戦など

『ホビット 竜に奪われた王国』

宿敵アゾグ(マヌー・ベネット)に追い詰められたトーリンをビルボが救い、真の友として旅の仲間に加わることができた。第二部では、蜘蛛やエルフに捕まったドワーフたちを助けだし、スマウグの住処にも単身潜り込むなど、ビルボが忍びの者としての真価を発揮していく。

第二部から、オーランド・ブルーム演じるレゴラスが登場(『ホビット 竜に奪われた王国』)
第二部から、オーランド・ブルーム演じるレゴラスが登場(『ホビット 竜に奪われた王国』)[c] 2013 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. The Hobbit: The Desolation of Smaug and The Hobbit, names of the characters, events, items and places therein, are trademarks of The Saul Zaentz Company d/b/a Middle-earth Enterprises under license to New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

行方不明のスライン
ビルボたちが旅立つ前、トーリンとガンダルフはブリー村の「躍る小馬亭」で対面していた。ガンダルフがトーリンに、エレボールを取り戻すようにあと押しする場面だが、エクステンデッド版ではトーリンの父、スライン(アントニー・シャー)についても回想される。
モリアの復興を目指すドワーフたちが、オークとの壮絶な戦いを繰り広げた“ナンドゥヒリオンの合戦”。アゾグがスロールの首をはねたのを見て、仇を討とうとするトーリンをスラインが制止し、「息子を殺させはせん。お前はここにいろ」と自らが敵に向かっていく。第一部でも描かれたように、合戦はアゾグに深手を負わせたトーリンの活躍でドワーフの勝利となるが、スラインは消息不明になってしまう。

ビヨルンへの自己紹介
アゾグの追跡から逃れるため、大きなクマに変身できるビヨルン(ミカエル・パーシュブラント)の家へ避難するトーリンたち。ドワーフを嫌っているビヨルンだが、それ以上にアゾグやオークを憎んでいるため、トーリンたちに馬を貸し与えている。ビヨルンのシーンも追加されており、無断で家に泊まった一行が、朝になって大男の姿に戻った彼に自己紹介をするコミカルなやり取りが登場する。

気難しいビヨルンを刺激しないように、ビルボだけを連れて庭に出るガンダルフ。ドワーフたちには、合図をしたら順番に出てくるように伝えていたのだが、ボフールの勘違いで、合図を待たずに次々とビヨルンの前に現れてしまう。このほか、ビヨルンがガンダルフに、ドル・グルドゥアの死人占い師(ネクロマンサー、ベネディクト・カンバーバッチ)や、ルダウアの塚に葬られているはずの死人(ナズグルのこと)についての情報を提供する姿も確認できる。

エルフに捕まるドワーフたち(『ホビット 竜に奪われた王国』)
エルフに捕まるドワーフたち(『ホビット 竜に奪われた王国』)[c] 2013 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. The Hobbit: The Desolation of Smaug and The Hobbit, names of the characters, events, items and places therein, are trademarks of The Saul Zaentz Company d/b/a Middle-earth Enterprises under license to New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

町民に慕われるバルド
ビルボの活躍で闇の森を通り抜けることに成功した一行。川を下った先で、湖の町エスガロスの船頭、バルド(ルーク・エヴァンス)に出会い、彼を雇って町に入る手引きをしてもらう。エスガロスでは、バルドが民衆に慕われていることがよくわかるシーンが追加されている。
ドワーフを連れて市場に入るバルドだが、そこで衛兵に見つかり、呼び止められてしまう。ドワーフたちが衛兵を気絶させるが、続いて隊長のブラガ(マーク・ミッチンソン)が増員を連れて現れ、バルドを尋問。近辺を捜索されるが、一部始終を見ていた町民は知らないふりをして仕事を続け、気絶した兵士を隠す手伝いもしている。

湖の町エスガロスの船頭、バルドに匿ってもらうドワーフたち(『ホビット 竜に奪われた王国』)
湖の町エスガロスの船頭、バルドに匿ってもらうドワーフたち(『ホビット 竜に奪われた王国』)[c] 2013 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. The Hobbit: The Desolation of Smaug and The Hobbit, names of the characters, events, items and places therein, are trademarks of The Saul Zaentz Company d/b/a Middle-earth Enterprises under license to New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

ドル・グルドゥアへ潜入するガンダルフ
ネクロマンサーのことが気がかりなガンダルフは、トーリンたちから離れ、ルダウアへ向かっていた。墓が暴かれていることを確認した彼は、ネクロマンサーを捜しにドル・グルドゥアへ歩を進める。ドル・グルドゥアにたどり着いたガンダルフは、アゾグの襲撃を受け、ネクロマンサーこと冥王サウロンの力に屈し、囚われの身となってしまう。

エクステンデッド版ではこの場面が大きく変わっており、ガンダルフとスラインの再会シーンが追加された。その姿はやせ細り、着ているものもボロボロで、かなりみすぼらしくなっているが、息子トーリンの名前を口にするなど、いまでも彼を気にかけていることがうかがえる。脱出できる道を探す2人だったが、そこへアゾグが襲来。ガンダルフの魔法でその場は切り抜けるが、続いてサウロンも出現し、「息子に愛していると伝えてくれ」と言い残したスラインを取り込んでしまう。息子に会えぬまま消滅するという悲しい展開だが、スラインからトーリンへの愛の深さを描いた印象的な場面となっている。

一人でドル・グルドゥアへ向かうガンダルフ(『ホビット 竜に奪われた王国』)
一人でドル・グルドゥアへ向かうガンダルフ(『ホビット 竜に奪われた王国』)[c] 2013 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. The Hobbit: The Desolation of Smaug and The Hobbit, names of the characters, events, items and places therein, are trademarks of The Saul Zaentz Company d/b/a Middle-earth Enterprises under license to New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.
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