『ジョゼと虎と魚たち』中川大志と清原果耶が、お互いに「ストイック」だと思う点は?
「実写版とアニメ版はまったく別物だと聞いたので、脚本と映像に沿って声を当てました」(中川)
2人は実写版の恒夫とジョゼをどのくらい意識したのだろうか。中川は「作品のタイトルはよく知っていましたが、どういうストーリーなのかという点は、今回、この映画に携わってから初めて知りました。実写版とアニメ版はまったく別物だと聞いたので、特に意識していないというか、僕は脚本といただいた映像素材に沿って、声を当てていきました」と言う。
清原は、実写版を観てからアフレコに臨んだという。「私は、マネージャーさんや知り合いの俳優さんから『ジョゼと虎と魚たち』という映画は本当にすばらしいから観たほうがいいと勧められていて。本作のオーディションを受ける前に、観ていたんです。確かに今回のアニメーション版は、実写版とまったく違いますし、ジョゼ像も1から10まですべて一緒ではないので、私も別物として考えてはいました」。
2人ともアニメのアフレコは経験済みだ。中川においては、映画『ソニック・ザ・ムービー』の日本語吹替版でも主人公の声を務め、同作のイベントで、ベテラン声優の山寺宏一からもお墨付きをもらっていた。ただ、『ジョゼと虎と魚たち』においては、少し勝手が違ったようだ。
「僕は、日本語吹替えとアニメのアフレコを合わせて4回目でしたが、作品によって求められるものは違うなと改めて実感しました。今回、声優ではない僕らに求められたのは、声優さんにしかできない技術ではなく、キャラクターを作りすぎないナチュラルさで、そこのラインを探っていきました。また、技術的なことで言えば、今回、水中でしゃべっている感じの台詞があったので、実際にマイクの前でシュノーケルを付けて話しました。初めてでしたが、おもしろかったです」。
清原は、女優デビューして間もないころに挑んだ劇場アニメ『台風のノルダ』(15)のアフレコ時を思い返しつつ、「全部、難しかったです」と告白。
「当時も声優さんの仕事については右も左も分からなくて、声優さんならではの技術を学ぶ場所もなく、どうしたらいいんだろうと思いながら収録しました。今回もとりあえず監督の話をちゃんと聞いて、それを表現できるようにしようと努めた感じです。また、私は大阪出身なので、関西弁についてのみ、自分の意見を言わせていただきました」。