ハロウィンの週末はホラー映画が全米トップに!続編がウワサの超大作も再上映スタート
5年ぶりにハロウィン当日が週末と重なった先週の北米興収ランキング(10月30日から11月1日)。ホラー作品が圧倒的な強さを見せるこの時期らしく、現代的な題材が話題を集めたホラー映画『Come Play』が2183館で約312万ドルを売り上げ、初登場1位を獲得した。
新鋭ジェイコブ・チェイス監督が、2017年に手掛けた短編映画『Larry』を自らの手で長編リメイクした本作は、スマートフォンやコンピューターなどのデバイスを通して、手足の長い不気味なクリーチャーの“ラリー”が自閉症の少年オリバーとその家族に迫るという物語。
オリバー役を演じるのは第92回アカデミー賞で作品賞をはじめ6部門にノミネートされたNetflix映画『マリッジ・ストーリー』(19)の子役として注目されたアジー・ロバートソン。
今週も上位をキープしているリーアム・ニーソン主演の『Honest Thief』や、ロバート・デ・ニーロ主演の『The War with Grandpa』のようなスター俳優が出演する作品でないにもかかわらず、両作の1週目と比較しても遜色のない興収を記録したことや、ホラー映画としては珍しく土曜日の興収が金曜日を上回ったのは、ハロウィン効果と考えてもよいだろう。
元々7月に公開が予定されていたが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響でハロウィン週末に延期となったのも不幸中の幸い。このタイプの作品は2週目以降に数字を落としやすい傾向にあるだけに、今後の動向を注視しておきたい。
また、ハロウィン前に再上映がスタートして大盛り上がりとなったディズニー作品『ホーカスポーカス』(93)、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(93)、『モンスターズ・インク』(01)の3作品は、ハロウィン本番もやはり好調で、いずれもベストテン圏内をキープ。
そんななか、ジェームズ・キャメロンが製作を務めロバート・ロドリゲス監督がメガホンをとった『アリータ:バトル・エンジェル』(19)が1060館の規模で再上映がスタート。12位にランクインする健闘を見せている。
木城ゆきとの傑作SF漫画「銃夢」を実写化した同作は、革新的な映像表現が話題となり、昨年2月に公開されるや世界各国でナンバーワンを獲得する好発進。しかし最終的な北米興収は1億ドルに届かず、全世界興収は4億ドルを突破したものの、1億7000万ドル以上とされる製作費からすれば期待を下回る結果に。それでも熱狂的なファンからの続編製作を求める運動がいまなお大々的に続けられており、今回の再上映を契機にプロジェクトが進展するのではと期待が寄せられている。
確たる目玉作品が公開されないこのタイミングで、『アリータ』はどこまで存在感を示すことができるのだろうか。
文/久保田 和馬