【ミニシアターランキング】話題の『どうすればよかったか?』が2週連続1位に!12月27日~12月29日の成績を紹介

コラム

【ミニシアターランキング】話題の『どうすればよかったか?』が2週連続1位に!12月27日~12月29日の成績を紹介

12月27日から12月29日までのミニシアターランキング(公開30館以下スタートの作品が対象)が興行通信社から発表された。今週は先週、脅威のジャンプアップで公開3週目で1位に踊りでた『どうすればよかったか?』(公開中)が2週連続トップに!藤野知明監督が20年にわたって統合失調症の姉と家族にカメラを向けたこの渾身のドキュメンタリーが映しだすものは、決して人ごとではないし、同じようなことで悩んでいる人も少なくない。しかも、観る者に質問を投げかけるこのタイトル。関心を持った人たちを中心に噂が噂を呼び、どんどん広がりを見せる、ミニシアター作品ならではの理想的なヒットの形がこの快挙に結びついたに違いない。

同様のことが、先週の2位から3位に順位は落としたものの、大健闘を続けている『大きな家』(公開中)や、先週の7位から4位に順位を上げた『小学校~それは小さな社会~』(公開中)にも見てとれる。さらに、初登場で2位に飛び込んだ『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』(公開中)もこの題材を無視できない映画ファンの心を鷲掴みにしたことが多くの動員につながったようだ。

【ミニシアターランキングトップ5】(12月27日~12月29日)

1位『どうすればよかったか?』(先週1位→)

2位『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』(NEW)

3位『大きな家』(先週2位↓)

4位『小学校~それは小さな社会~』(先週7位↑)

5位『バグタッド・カフェ 4Kレストア』(先週6位↑)

【写真を見る】映画ファン必見の青春映画!『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』が初登場2位
【写真を見る】映画ファン必見の青春映画!『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』が初登場2位[c]2022 VHS Forever Inc.All Rights Reserved.

初登場第2位の『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』は、カナダの新鋭チャンドラー・レヴァックの長編デビュー作。女性である同監督が、自らの自伝的ストーリーを主人公を少年に変えて描いた本作は、2003年のカナダの田舎町を舞台に、社交性がなく、周りの人と上手く付き合えない少年ローレンス(アイザイア・レティネン)をめぐる青春コメディ。バイト先のレンタルビデオ店で、かつては女優を目指していた店長をはじめとした多くの人たちと出会う彼が巻き起こす騒動や不思議な友情のエピソードが描かれるが、オタクの少年が主人公とあって、全編に映画の小ネタがちりばめられているのも楽しい。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(22)のサラ・ポリー監督も「これを観れば、映画がもっと好きになる」というコメントを寄せていて、実際、映画が大好きな世界中の人たちを魅了。2022年のトロント国際映画祭で「史上最高のカナダ・コメディの一本」にも選出されている。映画ファンの多くは、自分の物語として本作を捉え、抱きしめているに違いない。

4位の『小学校~それは小さな社会~』は、大阪の公立小学校を卒業後、中高はインターナショナルスクールに通い、アメリカの大学へ進学した山崎エマ監督のある気づきを検証した興味深いドキュメンタリー。「6歳児は世界のどこでも同じようだけど、12歳になるころには、日本の子どもは“日本人”になっている。すなわちそれは、小学校が鍵になっているのではないか?」。そう考えた彼女が、日本のとある公立小学校に通う1年生と6年生に1年間、150日、700時間、撮影で密着。1年間の編集を経て完成した本作は、掃除や給食の配膳など、日本人はあたり前のようにやっているものの、海外の人には驚きの連続である日本式教育「TOKKATSU(特活)」の現実を改めて見つめ直していく。そんなこと、考えたこともなかった!と、目から鱗の人たちがたぶん続出しているのだろう。「いま、小学校を知ることは、未来の日本を知ることだ」という投げかけをする本作を観て、なにを思うのか?これはほかではなかなか味わえない、貴重な映像体験だ。

元AKB48の田野優花がエロティック・ホラーに挑戦した『ぼくらのふしだら』
元AKB48の田野優花がエロティック・ホラーに挑戦した『ぼくらのふしだら』[c]大見武士・少年画報社/映画「ぼくらのふしだら」製作委員会

続いて、今週末に公開予定のミニシアター映画をピックアップ!1月3日(金)に、AKB48の元メンバー、田野優花があふれる性欲と引き換えに時間停止能力を手に入れる女子高生に扮した新感覚のエロティック・ホラー『ぼくのふしだら』が公開。翌1月4日(土)には、1961年に起きた「名張毒ぶどう酒事件」の犯人として逮捕され、無実を訴えながら獄中死した奥西勝元死刑囚の妹、岡美代子に肉薄したドキュメンタリー『いもうとの時間』も映画館の暗闇に浮かび上がる。形は違うものの、どちらも衝撃作。新年早々、この2作が新たな旋風を巻き起こすことになるだろう。

公開規模は小さいものの、映画ファンに愛されて続け話題性の高い良質な映画作品を鑑賞できるミニシアターに足を運んでみてはいかがだろうか。現在、全興連ミニシアター支援プロジェクト「#ミニシアターへ行こう」では、応援したい映画館の魅力を紹介してくれる公式アンバサダーを募集中。自身のYouTubeチャンネルやSNSアカウントを通じてミニシアターを紹介し、劇場救済に協力してもらおうという試みとなる。応募条件等詳細は公式アンバサダー募集ページをチェック!


文/イソガイマサト

●全興連ミニシアター支援プロジェクト「#ミニシアターへ行こう」
詳細:https://moviewalker.jp/special/minitheater/

●#ミニシアターへ行こう 公式アンバサダー募集ページ
詳細:https://reg18.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=ocnf-maqfkc-83d9b2cf8fbc22ac3cabe97c4e047659

●ミニシアター支援プロジェクト ハッシュタグキャンペーン
キャンペーンハッシュタグ「#ミニシアターへ行こう」をつけてミニシアター情報をシェアすると、抽選で「映画GIFT 2000円分」が毎月10名にあたるキャンペーンを実施中。
詳細:https://moviewalker.jp/special/minitheater/

ミニシアター支援プロジェクトに関するお問い合わせ:全興連ミニシアター支援事業運営事務局(株式会社ムービーウォーカー内)minitheater@moviewalker.co.jp

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