シリーズ完結後の続編も!J.K.ローリング執筆の「ハリー・ポッター」派生作品たち
“死の秘宝”についても語られる魔法界の童話集「吟遊詩人ビードルの物語」
シリーズ最終巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」において、亡きアルバス・ダンブルドア校長からハーマイオニーに託され、ヴォルデモートとの戦いにおける重要なヒントとなった「吟遊詩人ビードルの物語」。魔法族が古くから親しんできた寓話や童話をまとめた一冊で、“死の秘宝”について語られる「三人兄弟の物語」をはじめ、「魔法使いとポンポン跳ぶポット」、「豊かな幸運の泉」、「毛だらけ心臓の魔法戦士」、「バビティうさちゃんとペチャクチャ切り株」などが収録されている。
この本もまた、シリーズ完結後にローリングによって実際に執筆されている。ただ、イラストも彼女が手書きする形で7冊しか作られず、4冊が友人や知人にプレゼントされ、2冊は英米版それぞれの担当編集が受け取るなど、もとは内々のものだった。
そして、最後の1冊を彼女も設立にかかわった慈善団体「チルドレンズ・ハイレベル・グループ(CHLG)」の支援に充てるため、オークションに出品。それがAmazon.comによって、195万ポンド(約4億5000万円)という現代文学の原稿では最高の価格で落札され、Amazonのウェブサイトへの掲載や世界各国での展示を行ったのち、2008年に一般向けにも出版されることとなった。
シリーズ完結後の“19年後”を描く舞台脚本「ハリー・ポッターと呪いの子」
「ハリー・ポッターと呪いの子」は、ローリングのほか、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーンによって書かれた同名舞台の公式スクリプト・ブック、つまり舞台脚本になる。「~死の秘宝」の19年後が舞台で、ハリーの次男であるアルバス・セブルス・ポッターと、ドラコ・マルフォイの息子スコーピウスが物語の中心となる。
英雄を父に持ち、苦悩するアルバスが、親友スコーピウスとともに「~炎のゴブレット」で死亡したセドリック・ディゴリーを“逆転時計”を使って救おうとするが、それが魔法界全土を揺るがす大事件に発展してしまう。ハリーが子どもとの向き合い方に苦悩するほか、時空を超えた冒険が繰り広げられ、劇中で死亡したキャラクターも再び登場する。
舞台公演は2016年にロンドンでスタートし、18年からはブロードウェイでも上演。日本では、2022年夏に東京・赤坂のTBS赤坂ACTシアターを改修して作られる予定のハリー・ポッター専用劇場で、日本人キャストで上演されることが決まっている。
ちなみに、映画化の噂も報じられたが、ハリー役のダニエル・ラドクリフはシリーズに復帰する意志がないことを明かしており、ローリングもこれを否定している。
様々な角度から「ハリポタ」&「ファンタビ」の世界をより楽しむことができる、これらの書籍たち。映画を観てシリーズをもっと知りたいと思った人は、原作小説だけでなく、派生作品にも触れてみると新たな発見があるかもしれない。
文/平尾嘉浩
Blu-ray 発売中
価格:2,381円+税
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
■「幻の動物とその生息地 新装版」
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価格:1,300円+税
著者:J.K.ローリング 著/松岡佑子 訳
発売元:静山社
■「クィディッチ今昔 新装版」
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価格:1,300円+税
著者:J.K.ローリング 著/松岡佑子 訳
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■「吟遊詩人ビードルの物語 新装版」
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価格:1,300円+税
著者:J.K.ローリング 著/松岡佑子 訳
発売元:静山社
■「ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部 舞台脚本 愛蔵版」
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価格:2,200円+税
著者:J.K.ローリング 著/ジョン・ティファニー 著/ジャック・ソーン 著/松岡佑子 訳
発売元:静山社