佐藤健が“緋村剣心”としての8年間を振り返る!原作者からの手紙に「すごくうれしいし報われた」
<コメント>
●和月伸宏(原作者)
「大友啓史監督、佐藤健さま、そして視聴者の皆様、こんにちは。漫画家の和月です。つい先日スケジュールの都合で延び延びになっていた映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』の試写をやっと観ることができました。2作連続の強行軍、しかもどちらもハイカロリーな作品なのでがっつり疲れるかと思いきや、あっという間の4時間半。映画の世界にどっぷり心地よく浸ることが出来ました。
『The Final』は、“これぞ活劇”といった1、2、3をさらに押し進めた仕上がりで、そのさまはもはや<観るアトラクション>。見どころは原作の漫画的な表現や作風をギリギリまで活かしつつ、時代劇映画に昇華させる大友監督の辣腕ぶり。少年漫画の実写映画化を成功の道へと導いた第一人者の映像美学を存分に楽しめます。対して『The Beginning』は『The Final』と打って変わって静寂。佐藤健さんの『この人、超能力使って本当に飛んでいるんじゃないの?』と疑いたくなるような超絶アクションもしっかりあるのですが、なぜか全体の印象は白くて静か。
4作品にわたって剣心を演じてくれた佐藤健さんがついに演じる緋村抜刀斎と有村架純さんが演じる雪代巴の始まりと終わりをぜひ堪能して欲しく思います。他にも制作陣の気合いの入った美術や音楽、レギュラー陣の熱演とハマりっぷり。雪代縁演じる新田真剣佑の縁っぷり等、見どころ満載です。10年前、映画第1作の制作が決まった時、正直言うと『10年以上前に終わった作品なのにありがたいなぁ。でもこれはあくまでもおまけのようなモノであまり期待し過ぎたらダメだよなぁ』と少しのん気に構えていました。
それがあれよあれよと原作のラストまで映像化のまさかの全5作。おまけどころか本当に漫画家冥利に尽きます。時代劇且つ少年漫画という面倒な原作を見事映画化して下さった大友監督と制作陣の皆様、各々の役に真剣に取り組んで演じてくれた役者陣の皆様、そして実写映像化において後にも先にもこれ以上の“剣心”はいない剣心を演じてくださった佐藤健さま。ついでに集英社、なにより映画『るろうに剣心』を応援し楽しんでくださる視聴者の皆様に心の底より感謝します。コロナ禍で大変ですが健康に十分気をつけて、みんな元気で来春の映画公開を迎えましょう」
文/久保田和馬