「キッズ・ウォー」「花男」に『大コメ騒動』まで、井上真央が演じた“闘うヒロイン”をプレイバック! |最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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コラム 2021/1/17 8:30

「キッズ・ウォー」「花男」に『大コメ騒動』まで、井上真央が演じた“闘うヒロイン”をプレイバック!

1918(大正7)年、富山県の貧しい漁村で起こった「米騒動」。この出来事は日本の女性が初めて起こした市民運動と言われており、騒動の中心となったおかか(女房)たちにスポットを当てた『大コメ騒動』が現在公開中だ。主人公の松浦いとを演じるのは、『八日目の蝉』(11)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した井上真央。本作が社会の理不尽に立ち向かった女性たちを描いているということで、子役時代から現在までの井上の活躍を、彼女が体現してきた“闘うヒロイン”像にフォーカスして振り返ってみたい。

いじめや不条理に立ち向かう少女を演じた「キッズ・ウォー」

5歳から子役としてのキャリアをスタートさせた井上。その名が広く知られるきっかけとなったのが、1999~2003年にかけて放送されたTBS系列の昼ドラ(ドラマ30)「キッズ・ウォー」シリーズだ。
再婚によって“家族”となった血のつながらない親と子どもたちの姿を通して、家族の在り方、子どもの教育、親の成長がコミカルに描かれた。井上は正義感あふれる少女、今井茜を演じており、当初は彼女の母親である春子(生稲晃子)を主役にしたストーリーが展開されていたが、シーズンが進むにつれて作風が若者向けに方向転換したのを機に、主役の位置づけも茜にシフトしていった。

元ヤンキーの母親と同じく、勝気な性格で喧嘩っ早い茜は、不条理なことがあると「ざけんなよ!」と啖呵を切るのが特徴。一方で、いじめや大人の身勝手なルールにも真正面からぶつかり、彼女や周囲の人たちに降りかかる様々な困難をともに乗り越えていくなど、その熱いドラマには茜と同世代の少年少女を中心にお茶の間が夢中になった。ちなみに本作には井上以外にも、『タッチ』(05)や『風が強く吹いている』(09)で双子役を演じた斉藤祥太と斉藤慶太、「コード・ブルー」シリーズの浅利陽介、ファイナル・シーズンには最凶最悪の不良役として松山ケンイチも出演している。

「花男」では松本潤の恋人役を演じ人気爆発!

学業に専念するため、「キッズ・ウォー」後は俳優活動を一時休止。活動を再開したのち、2005年に出演したのが、井上にとって連続ドラマ初主演作となった「花より男子」だった。本作は累計発行部数が6100万部を突破している神尾葉子による大ヒット少女漫画が原作で、井上は名門の筋や素封家の子弟が在籍する英徳学園に入学した貧乏少女の牧野つくしを好演。大金持ちの男子グループ「F4」のメンバーである道明寺司を松本潤、花沢類を小栗旬、西門総二郎を松田翔太、美作あきらを阿部力が演じていた。

学園を牛耳るF4からいじめのターゲットにされてしまうつくしだったが、生来の強い正義感と毅然とした態度で立ち向かっていく。そんな彼女に対し、F4のリーダーで典型的な俺様タイプの司は、初めて自分の思い通りにならない存在として気になり始め、恋心を抱くようになっていく。家柄を越えたつくしと司の恋模様を初々しく表現した井上と松本に、大勢が胸をキュンキュンさせたに違いない。ドラマは大ヒットし、2007年に続編が放送され、その翌年には劇場版の『花より男子ファイナル』が公開された。

「花より男子」のDVD&Blu-ray-BOXは発売中
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幕末を駆け抜けた女性の知られざる生涯を演じきった「花燃ゆ」

「花より男子」のほか、『チェケラッチョ!!』(06)で映画に初出演し、フジテレビの月9ドラマ「ファースト・キス」で主演を務め、2011年には連続テレビ小説「おひさま」の主役にオーディションなしで抜擢された井上。『八日目の蟬』では、幼少期に誘拐されたトラウマを抱え、不倫相手の子どもを身ごもってしまう女性という陰のある役を演じきり、確かな演技力を見せつけた。

そして、2015年には「花燃ゆ」で大河ドラマ初主演を務めることに。幕末の長州藩・萩が舞台で、「松下村塾」で教鞭を振るい、明治維新で重要な働きをすることになる若者たちに思想的影響を与えた吉田松陰の妹、文(のちの楫取美和)の知られざる生涯が描かれる。松陰(伊勢谷友介)を慕い、松下村塾に集う若き志士たちを支え、様々な運命に翻弄されながらも兄の意思を継ぎ、力強く波乱に満ちた人生を駆け抜ける文。人々との出会いと別れを繰り返し、明るく前向きに生きる文の姿が多くの感動と共感を呼んだ。

米の価格高騰に物申した女性たちを率いる“闘うヒロイン”を熱演!

最新作『大コメ騒動』もまた、気丈な女性を数多く演じてきた井上の力強い魅力を堪能できる一本。富山県のとある漁村で、漁師の夫や3人の子どもと暮らすいとは、米俵を浜へ担ぎ運ぶ女仲仕としても働き家計を支えている。そんな彼女をはじめ、村のおかかたちの頭を悩ませているのが、毎日のように高騰し続ける米の価格だった。困窮する生活に耐えかねた彼女たちは、リーダー的存在である清んさのおばば(室井滋)を筆頭に米の積み出し阻止を試みるも、失敗に終わってしまう。しかしこの騒動は、地元の新部記者が「細民海岸に喧噪す」と報じたのを機に、全国に広まっていくことになる。

いとは学があり、新聞も読むことができる
いとは学があり、新聞も読むことができる[c]2021「大コメ騒動」製作委員会

井上が演じるいとは、学があり、本来なら女学校へ行けるほどの秀才でありながら、村ではその能力を生かすことができず、自信なさそうな表情をしている。しかし、しだいに内に秘めた力強さを見せ始め、やがて騒動を引っ張る存在として成長していく。薄汚れた日焼けメイクを施し、「米を旅に出すな!」と叫び、体を張って米俵に必死にしがみつくなど、気概あふれる井上の演技は必見だ。

我慢の限界を超えた女性たちが、“米”を取り戻すために立ち上がる!
我慢の限界を超えた女性たちが、“米”を取り戻すために立ち上がる![c]2021「大コメ騒動」製作委員会

民衆の怒りや不満が一気に爆発する様を、エンタメ感ある映像で描きだす『大コメ騒動』。騒動の中心となるいとは、井上が演じてきた“闘うヒロイン”たちの生き様にもリンクするはず。彼女のこれまでの活躍を思い返しながら本作を鑑賞してみては?

文/サンクレイオ翼

■「花より男子」
DVD&Blu-ray-BOX 発売中
原作著作:神尾葉子著 集英社マーガレットコミックス「花より男子」
製作著作・発売元:TBS
販売元:TCエンタテインメント

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