長澤まさみが本音をポロリ…『すばらしき世界』メイキング&本編映像を公開
2月11日より公開された『すばらしき世界』は、西川美和監督が初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに脚本から手掛けた映画。役所広司主演、仲野太賀、長澤まさみ共演で、生きづらい社会の中で、一度レールを外れても懸命にやり直そうとする男と、彼を追う若きテレビマンのカメラを通して「社会」と「人間」の“今”をえぐる問題作となっている。そんな本作より、貴重なメイキングと本編映像が解禁となった。
東京の下町の片隅で暮らす三上正夫(役所)は、見た目は強面でカッと頭に血がのぼりやすい性格だが、真っ直ぐなくらい優しく、困っている人を放っておけない男。しかし彼は人生の大半を刑務所で過ごしてきた前科者の過去を持っている。そんな三上をテレビ番組のネタにしようとすり寄るテレビマンの津乃田(仲野)と吉澤(長澤)。言葉巧みにそそのかし、テレビ番組に出演させようと画策する。
新たに公開された映像では、やり手プロデューサーの吉澤が暗がりの部屋で、津乃田が撮ってきた密着映像の一部を真剣に見つめる姿が映し出される。一般論を軽々と飛び越え常軌を逸する人物であろう刺激的な三上の姿に「もう最高じゃん…!」と不敵な笑みを浮かべ、意味ありげに津乃田の膝にそっと手を置く吉澤。彼女のそんな行動に困惑しながらも、吉澤の表情を読み取ろうとする津乃田だが、2人の視線は一切合わない。曖昧に、にわかに揺れるなんとも言えないシーンとなっている。
映像の導入にはメイキングも添えられ、長澤が「役所さんと共演できる機会が、まさかあるとは思わなかったから…うれしかったです」と撮影を振り返る様子も。西川監督からの仲野とのシーンは息が合っていてよかったという言葉に「絶大なる信頼が太賀くんにはあるから」と、仲野の存在があったからこそできた役だとも本音を語っている。
自分の強みを認識し、賢く強かな才色兼備の切れ者である吉澤は、津乃田を利用し、三上をも手玉にとる。そんな役どころを、見事なハマりっぷりで演じた長澤の新たな一面に注目してほしい。
文/タナカシノブ