“ゴジラ愛”あふれる笠井信輔アナ、『ゴジラvsコング』でハリウッド映画デビュー！「アナウンサー生命を懸けてきたご褒美」

「フリーアナウンサーの笠井信輔がハリウッド映画デビューを果たす！」この情報をどこよりも早くキャッチしたMOVIE WALKER PRESS編集部は早速、笠井が出演していると噂の『ゴジラvsコング』(5月14日公開)の試写会場へと急行した。そこで試写を見終えたばかりの本人を直撃すると、「事実です、大好きなゴジラ映画でハリウッドデビューしたんです」とうれしそうに語ってくれたのだ！
…と、これはエイプリルフールのジョーク。ノリノリで記者のフリに応えてくれた笠井だが、実際は日本語吹替版ボイスキャストとして参加したのだそう。ということで、本稿では、オファーの経緯やアフレコの裏話はもちろん、本編鑑賞直後の興奮と感想、“ゴジラ愛”までをたっぷりと語ってもらった。

「ゴジラ映画出演は、アナウンサー生命を懸けてやってきたご褒美」

ゴジラ愛が炸裂！[c] 2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

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今回日本語吹替版の出演オファーがあった時は、フリーになってよかったなって心の底から思いました。10年ぐらい前にもハリウッドのSF映画で吹替え出演のオファーをいただいたことがあるんですが、その時は会社が「いちアナウンサーがいい気になっているんじゃない！」と断ってしまった悔しい想い出があって。かと言って、当時はフリーになる勇気もなかったので、今回は小躍りしましたね(笑)。しかも、『GODZILLA ゴジラ』(14)から始まった「モンスターバース」シリーズの一つの頂点とも言える『ゴジラvsコング』でのオファーですから、ここまで頑張ってきて本当によかった。

というのも、僕はゴジラ映画にこれまで4作品出演しているんです。公式には『ゴジラ2000 ミレニアム』(99)と『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』(01)の2作品のみに出演していることになっていて、こちらに関してはセリフがちゃんとありました。あとの2作品、『ゴジラ対メガギラス G消滅作戦』(00)と『ゴジラ×メカゴジラ』(02)はただ逃げているだけなんですけど、私はそれにアナウンサー生命を懸けていました。なぜなら会社に内緒で出てしまったからです(笑)。

いや、観てもどこに出ているのか僕にしか分からない程度なんです。DVDを一時停止して、家族がやっと分かる、1秒もないシーンなんですが、私はこの2作品もちゃんとカウントしています。ただ、それから10年間ぐらいは先輩の軽部(真一)さんにも黙っていました。誰にも話さなかったですね。今回のオファーは、そうやってアナウンサー生命までを懸けてきたご褒美だと思っているわけですよ。

私が4作品のゴジラ映画に出ていることは、『GODZILLA ゴジラ』公開の際に芹沢猪四郎博士を演じた渡辺謙さんにインタビューした時に話したんです。そしたら、謙さんはすぐに「なんだ、先輩じゃないですか」って言ってくれました。1作目の『ゴジラ』(54)や『モスラ対ゴジラ』(64)を始め、ゴジラ映画に6作も出演なさっているレジェンド、宝田明さんにも「笠井さん、4作品も出てるんだ！」って言っていただきましたけど、その話を軽部先輩にしたら、「オマエはちょい役で出ただけ。しかも2作品はただ逃げているだけなのに、謙さんや宝田さんに『4作品に出ているんです』とか言うんじゃない！恥ずかしいと思わないのか？」ってめちゃくちゃ怒られました。でも、私は全然恥ずかしいとは思っていません！なぜなら、軽部さんは1作品も出ていないから。そんな人に批難されたくないですよ(笑)。

そういったこともあって、去年行われた「ゴジラ・フェスオンライン2020」では9時間の生配信の総合司会を担当させていただいて。病み上がりでしたから、家族も「いま、9時間もやって大丈夫なの？」と心配してくれましたけど、病み上がりだろうが、なんだろうが、やると。これで散るなら散ってもいいという想いで臨んだわけなのですが、ゴジラに関することは、私にとってはただのお遊びじゃないんです。アナウンサー生命とか本当の生命とか、いろんなものを懸けてきたので、今回のオファーをいただいた時には、フリーになるタイミングも含めて、「僕はこのために生きてきたのか？」と本当に思いました。だって定年までフジテレビで働いていたら、今回もオファーを受けられませんでしたから。すべてが天の配剤のような気がしましたね。