金子修介、樋口真嗣両監督が証言!いまなお愛される「平成ガメラ三部作」“特撮”の魅力とは
「令和の怪獣映画でも、着ぐるみ、ミニチュアは使ってほしいですね」(金子)
一方で「大映内では昭和ガメラ愛が強すぎる方々もいて、新しいガメラに反対する意見との戦いがありました」と振り返る土川は、「樋口くんはまだ実績がなかったから心配の声も多くありました。ただ僕は、樋口くんの若さと情熱に賭けてみたかった」と、全幅の信頼を置いていたことを明かす。
「予算がないのを知恵で乗り切って、あれだけのものを作ってくれました。美術の三池敏雄くんや造型の原口智生くんといった、いまや日本の特撮界を支えている人たちを集めてくれた。彼らは本当に、歴史に残るような仕事をしてくれたと思ってます」と本シリーズの特撮チームに熱烈な賛辞を贈っている。
また金子監督も、最新鋭の技術によって鮮やかに蘇った「平成ガメラ三部作」を観た感想として「ミニチュアのシーンとか、当時のスタッフの苦労や成果がはっきりわかる」と振り返りながら、樋口ら特撮チームの奮闘を称えている。
さらに「CGでコストを下げられるのであればそれもいいと思います。でもミニチュアは使ってほしいのと、怪獣も着ぐるみで演じて怪獣の表面、テクスチャーをCGで加工して生物感を持たせるのがいいんじゃないかと思っています」と、今後作られるであろう怪獣映画への期待も。昭和と平成に続き、令和の時代にも新たな「ガメラ」が作られることになるのだろうか。今後も注目していきたい。
ほかにも「ガメラ55周年プロジェクト『平成ガメラ三部作』劇場用プログラム」には、金子監督や脚本の伊藤らのロングインタビュー、怪獣たちの設定ディテールから撮影の舞台裏がわかる資料や当時の反響、そして今回の4K HDR化の修復過程の裏側まで、特撮ファンはもちろん映画ファンにとっても垂涎の情報がぎっしりと掲載されている。
ドルビーシネマ版『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』を観たら、是非ともパンフレットを手に取り、「平成ガメラ三部作」をさらに隅々まで堪能してみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬
https://www.smt-cinema.com/site/marunouchi/news/event/detail/036511.html
「ガメラ55周年プロジェクト『平成ガメラ三部作』劇場用プログラム」
「平成ガメラ三部作」の立役者である金子修介監督、樋口真嗣特技監督、脚本の伊藤和典氏のインタビューや、監督たちの書き込み台本を特別公開!また、「水曜どうでしょう」のディレクター陣や、著名人が語る“ガメラ愛”。当時のガメラの印象を知ることができる報道記事・コラム記事など、ここでしか見られない内容が盛りだくさん。
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ムービーウォーカー刊