ワンダーウーマン、ジャスティス・リーグ、マルチバース…ジム・リーが語るDCの未来
「長年つづくキャラクターは、アクションやアドベンチャー以上のなにかを象徴するものだと思います。ワンダーウーマンがDCコミックスでデビューしてから80年。いまでも多くの人々に愛されているのは、慈悲心や平和、品位や真実といった現代社会が希求する崇高な価値観を体現しているからではないでしょうか」。
全世界で興行収入8億ドル突破した『ワンダーウーマン』(17)の続編として、コロナ禍の昨年末に公開され話題を博した『ワンダーウーマン 1984』のブルーレイ&DVDが発売中だ。それを受けて、アメコミ界のレジェンドとして知られるジム・リーはその人気の理由について自身の見解を語る。
「パティ・ジェンキンス監督には、とても感謝しています」
1980年代にマーベル・コミックスでキャリアをスタートさせたリーは、1991年にクリス・クレアモントと共同で「X-MEN」の新シリーズを手掛け、一躍アメコミ界で脚光を浴びる。その後マーベルを離れ、「スポーン」や「ザ・ウォーキング・デッド」といった人気作を生み出すアメコミ出版社イメージ・コミックの創設に携わると、期間限定でマーベル・コミックスに復帰。「アイアンマン」や「ファンタスティック・フォー」など往年の人気作のリブートに参加する。そしてDCコミックスに移籍後はアーティストの一人として、コミックからゲームまで多くの作品に携わってきた。
1941年にDCコミックスに初登場を果たしたワンダーウーマンことダイアナは、外界から隔絶された島で育ったアマゾン族の王女にして高い戦闘能力を持つ最強の戦士。バットマンをはじめとしたDCヒーローたちが世界観を共有するDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)では『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)で初登場。「ワイルド・スピード」シリーズで高い身体能力を発揮したガル・ガドットが同役を演じ、時代を象徴する女性ヒーローとして大きな注目を浴びることとなった。
『ワンダーウーマン 1984』の舞台は1984年。スミソニアン博物館で考古学者として働くダイアナの前に、禁断の力を手に入れた邪悪な実業家のマックスと、正体不明の敵“チーター”が立ちはだかり、やがて人類の滅亡の危機を止めるための壮絶なバトルが繰り広げられていく。
「実写版のキャラクターを作りだしてくれたパティ・ジェンキンス監督にはとても感謝しています」と語るリーは、「生身の三次元キャラクターとして大スクリーンに現れ、世界を救うその姿は広い世代に訴求した。きっと次の世代にも引き継がれていくことになるでしょう」と、いまやDCヒーロー屈指の人気を誇るワンダーウーマンが、今後さらに活躍することへの期待をのぞかせた。