アンミカが語る、『いのちの停車場』から受け取った「いまを大切に生きる」ポジティブなメッセージ

インタビュー

アンミカが語る、『いのちの停車場』から受け取った「いまを大切に生きる」ポジティブなメッセージ

真摯に命に向き合う医師と、7組の“最後の願い”を叶えようとする患者、その家族の姿を映しだす映画『いのちの停車場』(5月21日公開)。本作をいち早く鑑賞したモデル、タレントなど幅広く活躍するアンミカは、「命のありがたみを感じると共に、よりいまを大切に生きたいと思いました」と、本作の持つポジティブなメッセージに強く感銘を受けたと吐露。「兄弟姉妹や旦那さまに、もっと愛を伝えたくなりました」と輝くような笑顔を見せる。アンミカが本作から受け取ったもの、そして、いまにつながる両親からの教えと感謝を明かした。

現役医師であり作家としても活動する南杏子の同名小説を、日本アカデミー賞受賞監督であり、『八日目の蝉』(11)などの成島出監督が吉永小百合主演で映画化した本作。金沢にある「まほろば診療所」を舞台に、東京からやってきた医師の咲和子(吉永)、彼女を尊敬する青年の野呂(松坂桃李)、看護師の麻世(広瀬すず)、彼らを見守る「まほろば診療所」の院長の仙川(西田敏行)が、患者やその家族に寄り添っていく姿を描く。

「人の優しさが、誰かを救うことがある。私も誰かに優しくしたくなりました」

実力と人気を兼ね備えた豪華キャストが集結した『いのちの停車場』
実力と人気を兼ね備えた豪華キャストが集結した『いのちの停車場』[c]2021「いのちの停車場」製作委員会

最後の願いとして海へ行くことに憧れる少女、死の淵で家を飛びだした息子のことを想う父、憎まれ口を叩き合う老夫婦…。「まほろば診療所」を中心に、あらゆる家族が登場する。それぞれの命の輝きを目にしたアンミカは、「限りある時間をどう過ごすか、について深く考えることができた」と胸の内を明かす。

「人は生まれた瞬間から、死に向かっていくという宿命がありますが、こんなにもたくさんの“人生のしまい方”と、そこに関わるたくさんの愛に触れることができたのは初めて。大切な時間を、大切な人たちと過ごしたいと願う家族の姿を見て、『命があることは、決して当たり前のことではないんだ』と思いました。改めてそのありがたみを感じて、どう生きていくべきなのか、命をどう使うべきなのかを考えるきっかけをくれた映画です」と、受け取ったものは大きかったようだ。

結婚生活10年目になるというアンミカ。泉谷しげると松金よね子が演じる、憎まれ口を叩き合っている老夫婦の物語にも「胸が熱くなった」と話す。

「劇中のご夫婦は幾多の愛、苦しみ、悲しみを経て、人生を共にしながらも、奥さまに最期の時が迫ってきている。医師の方たちがよかれと思って手当をしようとしても、旦那さまは『こいつはこういうことをされるのは嫌なんだ』と、長年連れ添っているからこそ、奥さまの気持ちがわかるわけですよね。憎まれ口を叩きながらも『こいつを守れるのは俺だけなんだ』という姿が見えて、グッときました」。

それぞれの命の向き合い方が描かれていく
それぞれの命の向き合い方が描かれていく[c]2021「いのちの停車場」製作委員会


さらに「私は結婚してまだ10年ですが」と切りだし、「私は両親を早くに亡くしていますので、命ある限り、旦那さまには毎日『好き』と言いたい、と思っているタイプなんです」とにっこり。「旦那さまには、言い残しがないほど『大好き、愛している』と言ってコミュニケーションを取っていますが、果たしてそれがアップデートできているかな?と思ったり。近くにいるのが当たり前の存在になってしまうと、見逃してしまうこともあるかもしれません。旦那さまが苦手なもの、心地よいと思うものなど、たくさんコミュニケーションを取って、もっと知っていきたいなと思いました」。

また兄弟、姉妹にも「ものすごく会いたくなった。本作を観て、すぐに『みんな元気?最近どうしている?』とメールした」のだとか。それは「愛を表現することの大切さを、本作が教えてくれたから」だという。

柳葉敏郎演じる厳格な父親が、死の淵で長年心を通わせていなかった息子との再会を願うシーンがある。その場面を思い返しながら、アンミカは「言い残したことがあったり、思い残しをして旅立ったりというのは、とても悲しいこと。劇中では患者さんのより幸せな旅立ちのために、みんなが愛に基づいて行動します。松坂桃李さん演じる野呂くんは、涙を流して声をかけていましたよね。あのシーンは、私もボロボロ泣きました」と告白。「多種多様な人生のしまい方、それぞれの生き方を見ることで、『私は大切な人にきちんと愛を伝えられているかな?言い忘れていることはないかな?命のある間にできることはなにかな?』と思いを馳せることができました。そうやって考えることで、いま行動に移せることってたくさんあると思うんです」と心を込める。

「まほろば診療所」を舞台に、真摯に命に向き合う医師たちの姿を描く
「まほろば診療所」を舞台に、真摯に命に向き合う医師たちの姿を描く[c]2021「いのちの停車場」製作委員会

そして患者に寄り添う医師の姿からも、「人の優しさが、誰かを救うことがあると気づいた」という。「『ありがとう』という一言や、ちょっとした優しい言葉で、元気になったり、生きていてよかったと思えることってたくさんありますから。人間のできることって、たくさんあるんだなと感じました。私も誰かに優しくしたくなりました」とたくさんの愛を感じたと話す。


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