クロエ・ジャオ監督、『ノマドランド』チームの絆を語る!監督賞受賞スピーチ全文&受賞後インタビュー
クロエ・ジャオ監督 監督賞受賞後インタビュー
ーーまずは受賞おめでとうございます。フランシス(・マクドーマンド)が月に向かって吠えているのを見て、どう感じましたか? また、フランシスの主演女優賞受賞はあなたにとってどのような意味を持ちますか?
「 吠えているのは、追悼ビデオにも出ていたサウンドミキサーの(マイケル・)ウルフ(・スナイダー)のためでした。 彼の名前はウルフで、私の前作『ザ・ライダー』のサウンドミキサーであり、ライダー家の一員でもありましたが、残念ながら最近亡くなってしまいました。だからあの雄叫びはウルフのためだったんです。フラン(マクドーマンドの愛称)がプロデューサーとして、また女優として、どれだけオープンでどれだけ脆く、どれだけ遊牧民を助けるためにこの映画に参加したか、そして彼女自身が『ノマドランド』だったことを知っている人たちのことを思い、とても幸せな時間を過ごしています」
ーー監督賞を受賞した2人目の女性、初の有色人種の女性、この歴史的快挙はいまのあなたにとってどのような意味を持つのでしょうか? また、監督賞についてキャスリン・ビグロー監督と話をしましたか?
「 私は、自分の好きなことを仕事にできてとても幸運です。この受賞によって、私のように夢を実現できる人が増えれば、本当にありがたいことです。キャスリン・ビグロー監督とグループで食事をしたことがありますが、すぐに大ファンになりました。もし彼女のメールを知っていたら、ぜひ話をしてみたいです」
ーーこれだけの歴史的快挙が一度に訪れたことについて、どのように感じていますか? 私たちがよく口にする "ガラスの天井 "を文字通り打ち破ったわけです。いまのあなたの心境を聞かせてください。
「幸運なことに、私の両親は『あなたでいるだけでいい』といつも言ってくれました。そして、私は…自分が誰であるかということは、作品に現れると思います。だから私はいつも自分自身に忠実でいようとしていて、本当に素晴らしく、協力的で、才能のある人々に囲まれているから、この瞬間を彼らと共有したいと思います」
文/平井伊都子