広瀬すずが明かす、吉永小百合から託された映画女優のバトン「映画の道を行く吉永さんに、強く憧れます」

インタビュー

広瀬すずが明かす、吉永小百合から託された映画女優のバトン「映画の道を行く吉永さんに、強く憧れます」

「吉永さんのように映画の道を行くことに対して、強い憧れはあります」

【写真を見る】広瀬すず、赤のロングドレスで魅了!金沢でのひと時を撮り下ろし
【写真を見る】広瀬すず、赤のロングドレスで魅了!金沢でのひと時を撮り下ろし撮影/山崎伸子

金沢での会見では、吉永が広瀬の女優としての演技力を高く評価したうえで「映画にいっぱい出てほしいなと切に願っています」と笑顔でリクエストしたのだが、それに対して広瀬は「自分にとっても映画は特別な存在なので、吉永さんを見ていると、本当に映画の道ってあるんだなと思いました。だから吉永さんにそう言っていただいたら、『はい!』とつい言ってしまいそうになります」とおちゃめに応えていた。

このやりとりについて広瀬は「自分はまだこの世界に入って長くないですし、年齢的なものもあり、様々な作品に挑戦させてもらいました。多くの方の導きがあってやらせていただいたお仕事により、様々な現場を経験できたのだと思います」と感謝している。


映画、ドラマ、舞台の仕事について語った広瀬
映画、ドラマ、舞台の仕事について語った広瀬撮影/山崎伸子

実際に、映画はもちろん、連続テレビ小説「なつぞら」や民放のテレビドラマ、舞台などの経験を経て、女優としてさらに厚みが出てきた広瀬。「なつぞら」のあとは、野田秀樹の「Q:A Night At The Kabuki」(19)で初舞台を踏み、現在はテレビドラマ「ネメシス」が放映中だ。「もちろん映画のほうが時間をかけて撮れるので、役と向き合える時間が多いということもあります。テレビドラマはどうしても毎週の放送に追われがちになりますし。朝ドラは撮影期間が長かったので、そのあとは映像作品ではなく舞台をやってみたいとも思いました。映画や舞台、ドラマでは、それぞれお芝居の仕方も違うと思いますが、なかでも私が今回やらせていただいた舞台は特殊なお芝居で、ものすごく楽しかったです。また、いまはテレビドラマを撮影中ですが、コロナ禍なので皆さんに楽しんでもらえる作品を届けたいとも思いました」。

そんな広瀬は、今回吉永との交流を経て、映画への情熱が再燃してきたようだ。「やっぱり自分のなかで、映画は特別というか、10代のころからたくさんの映画に出たいと思っていたので。だから、あんなふうに吉永さんに言ってもらえたのはすごく光栄で、心の中では大きな声で『はい!』と言ってました。テレビドラマも舞台も好きですけど、吉永さんのように映画の道を行くことに対して、強い憧れはあります」。

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『いのちの停車場』は公開中![c]2021「いのちの停車場」製作委員会

是枝裕和監督作『海街diary』(15)で新人賞を総なめし、若手演技派女優として頭角を現して以降、同じく是枝監督作『三度目の殺人』(17)や小泉徳宏監督作「ちはやふる」シリーズ、吉永から称えられた『怒り』などの作品群で、数多くの映画賞に輝いてきた広瀬。今年も『一度死んでみた』(20)で、第44回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞したが、吉永が背負ってきた日本映画界のバトンを、才能ある若き女優に託したいと熱望した気持ちもわからなくはない。いち映画ファンとしては、映画女優・広瀬すずの熱演を、今後もっとスクリーンで観たいものだ。

取材・文/山崎伸子


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