『ザ・スーサイド・スクワッド』が初登場1位を獲得!『ブラック・ウィドウ』は2021年公開作のトップに

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『ザ・スーサイド・スクワッド』が初登場1位を獲得!『ブラック・ウィドウ』は2021年公開作のトップに

先週末(8月6日から8日)の北米興収ランキングは、2016年に公開されたDC映画『スーサイド・スクワッド』をジェームズ・ガン監督が再構築した『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(8月13日日本公開)が初登場ナンバーワンを獲得した。

【写真を見る】DCの悪党たちが大暴れ!ジェームズ・ガン節炸裂に、批評家からも大ウケ
【写真を見る】DCの悪党たちが大暴れ!ジェームズ・ガン節炸裂に、批評家からも大ウケ写真:EVERETTE/アフロ

初日から3日間で2620万ドルの興行収入は、コロナ禍以降に公開されたR指定作品としては最高の成績ではあるが、予想を下回る鈍い滑りだし。ちょうど5年前の同じ8月第1週に公開された 『スーサイド・スクワッド』(16)はオープニング興収1億3000万ドル越えのロケットスタートを切っており、名目上は続編という立ち位置ではないにしろ、“前作”から1億ドル以上も下落したことになる。

それでも批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、2016年版が批評家の26%、観客の59%からしか好意的な評を獲得できない低評価だったのに対し、今回の『ザ・スーサイド・スクワッド』は批評家の91%、観客の84%が評価するという批評的な成功作に。

こうした評判が興行に伴わない逆転現象は、現在のアメリカ国内の情勢を踏まえれば仕方ないと思えるが、なかなかにもどかしいものがある。HBO Maxでの同時配信も好調と報じられており、どこまで劇場での収益を上げられるかに注目しておきたい。

『ブラック・ウィドウ』は2021年の北米公開作No. 1に!
『ブラック・ウィドウ』は2021年の北米公開作No. 1に!写真:EVERETTE/アフロ

『ザ・スーサイド・スクワッド』以外にはビッグタイトルの公開がなく、前週1位だった『ジャングル・クルーズ』(日本公開中/ディズニープラス プレミアアクセスにて配信中)は前週比半減以上の大きな下落率でも2位を死守するなど、さほど大きな変動は見られず。

前週に続いて4位をキープした『ブラック・ウィドウ』(日本公開中/ディズニープラス プレミアアクセスにて配信中)は、先週水曜日に『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(日本公開中)の北米累計興収を抜き去り、2021年の北米公開作のナンバーワンに上り詰めることとなった。


カンヌ国際映画祭監督賞に輝いた『Annette』も配信に先駆け劇場公開
カンヌ国際映画祭監督賞に輝いた『Annette』も配信に先駆け劇場公開写真:EVERETTE/アフロ

またランキングには含まれていないが、先日まで行われていたカンヌ国際映画祭でオープニングを飾り、監督賞を受賞したレオス・カラックス監督の『Annette』が6日より限定的に劇場公開されている。「Indiewire」の報道によれば、劇場数は正式に発表されていないが150〜200館とみられ、3日間の累計興収は25万ドル前後とのこと。北米では20日からAmazon Prime Videoでの配信を控えており、それに先駆けての劇場公開は賞レースへの参戦を見越した動きとも考えることができよう。

こちらも「ロッテン・トマト」を参照すると、批評家からの好意的な評は69%と伸び悩み。対照的に観客からの好意的評価は88%と、これまで観客よりも批評家からの受けが良かったカラックス作品では珍しい逆転現象が起きている。それはアダム・ドライバーやマリオン・コティヤールらを揃えたキャストのポップさや、ミュージカルというジャンル性が理由であろう。もっとも、従来のようなアート系作家のイメージが強いとあまり賞レース向きとは言えないだけに、今回の観客からの好反応は戦略的にプラスに働くはずだ。

文/久保田 和馬

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