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「自分の世界観を表現したい」初監督を務めた三吉彩花、華麗なるセルフポートレートインタビュー!

インタビュー

「自分の世界観を表現したい」初監督を務めた三吉彩花、華麗なるセルフポートレートインタビュー!

「どういう風に伝えたら、自分のニュアンスが丁寧に伝わるのかが一番難しかった」

「MIRRORLIAR FILMS」で“カメラの前の世界”、“カメラの後ろからの世界”を体験
「MIRRORLIAR FILMS」で“カメラの前の世界”、“カメラの後ろからの世界”を体験写真/宮崎健太郎

では実際にカメラの前の世界、カメラの後ろからの世界を体験して女優としての意識にも変化はあったのだろうか。「自分が演じる側の時もすごく考えることなのですが、1つの台本をしっかり形にするには現場の方や監督とのコミュニケーションがすごく大事だと思っていて…特に監督と台本の擦り合わせなどをする時に、自分の解釈の伝え方など“言葉選び”が大きな課題なんです。監督の立場として伝えるとなると、全体を見て考えないといけないので、とても難しかった。でも今回監督をやったことによって、どうしたら役者さんがお芝居しやすくなるのか、今度自分が別の現場に入る時に監督に対してどういう風に意見していったらいいのか、より丁寧に伝えるにはどうしたらいいのかみたいなことがすごく勉強になりました」と自身の貴重な糧となった製作期間を振り返る。

こだわった“色”「映像で心情を表現したいと思っていた」

“変化”というテーマのもと制作された『inside you』では、“自身のやりたいこと”に悩む女性の姿が美しい世界観で描かれていく。「まず映像を美しく撮ることにこだわった」という三吉だが、なかでも特にこだわったのは“色”。「言葉で説明するよりも、映像で心情を表現したいと思っていたので、コップに注がれるお水を青くして少しネガティブな要素を出したり、主人公がバレリーナとの出会いによって心が動かされるシーンは赤色を印象的に取り入れていたりと、色にはかなりこだわりました」と明かす。


美しい世界観で描かれる本作で、三吉は“色”にこだわったと語る
美しい世界観で描かれる本作で、三吉は“色”にこだわったと語る[c]2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

三吉自身、「9作品のなかでは人間の変化によって心情が変わったり揺れ動いたりするというのが分かりやすい作品なんじゃないかな」と分析する本作。「主人公の人生を前向きにする、背中を押してくれる“変化”を描いているので、観てくださった方には自分に置き換えて考えたり感じたりしてもらえたらすごくうれしいです。今後人生の選択に迷ったり、なんかちょっと上手くいかないなっていう時に『そういえば“inside you”もう1回観返してみようかな』って思ってもらえるような、その人の人生に寄り添える作品になれたらいいなと思います」と強い想いを明かした。

「よりみんなが、クリエイティブなことをやりやすい環境に」

公開中の“Season1”では、『百円の恋』(14)や『アンダードッグ』(20)の武正晴監督による『暴れる、女』や、俳優の安藤政信がメガホンをとった『さくら、』など様々なジャンルの9作品が上映されるが、三吉自身も「こんなにも全然違う作品が揃っていてすごいなと思いましたね。それぞれ皆さん楽しませ方も違いますし、独特でおもしろかったです」と率直な感想を語る。まさにボーダーレスで斬新なアイデアあふれる作品が詰まった「MIRRORLIAR FILMS」だが、一方でクリエイターの発掘や育成を目的に映画製作のきっかけや魅力を届けるために生まれたプロジェクトでもある。

お茶目なポーズも披露した三吉
お茶目なポーズも披露した三吉写真/宮崎健太郎

「私自身、今回監督という形で参加させていただいたんですけど、自分の表現したいやり方というのはほかにもまだまだたくさんある。例えば空間コーディネートをしたり、誰かの衣装のスタイリングやPVを撮ってみたり、とにかく自分の世界観を表現することについては無限にやりたいことがあります。『映画に興味があるけど、そういう大学に行っているわけではないからできないかな』とか考えている人ってたくさんいると思うんですけど、一歩勇気を踏みだして作ってみたら新しい反響があるかもしれないし、もっと違う作りたいものが明確になるかもしれない。なので今回の企画はすごく素敵な企画だと思いますし、これがどんどん浸透していって、よりみんながクリエイティブなことをやりやすい環境になっていくといいなと思います」と期待を寄せる。

「9作品とも全然違うジャンルの個性あふれる作品が集結しているのでずっとジェットコースターのピークみたいな状態が続くと思うんですけど(笑)、そういったアトラクション感覚で気軽に観ていただけたら。楽しい作品もあればすごく考えさせられる作品もギュッと詰まっているので、ぜひ楽しんでいただきたいなと思います!」

取材・文/富塚沙羅

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