衝撃の真実にたどり着け!新感覚スリラー『アンテベラム』が緻密に仕掛ける“本当の恐怖”
いよいよ11月5日(金)に公開となる『アンテベラム』を観る前に、ネット上に転がっているネタバレはもちろん、可能ならあらすじも読まないほうがいい。これ、絶対。読んでしまうと、映画が始まってから数十分、「私はいったいなにを見せられているんだろう…」という気持ちにさせられ、ともすると買ったチケットを間違えてしまったかも、という気分にすらなるからだ。ところが、なんの知識も入れずに観るのも、本作のおもしろさ、恐ろしさが伝わりにくい。入れるべき知識を入れてから観ることをおすすめする。そこで本稿では、『アンテベラム』をより楽しむために、ぜひ仕入れておきたいヒントの数々を、ご紹介していこう。
さて本作、観れば「超ヤバい映画」であることはたしか。宣伝文句にも引用されている『ゲット・アウト』(17)や『アス』(19)など、最近はこの手の良質なスリラーが続出しているが、この作品もその一つに数えられるのは確実だ。だが、それらと似たテーマを持ちながら、まったく手法を変えていること、そして“ネタバレ厳禁”という観た人だけが共有できる特別感を味わえるのが本作の特徴といえる。
そもそもこのタイトル自体の意味がわからない人が多いはず(筆者も知りませんでした)。そのため改めて調べてみると、“occurring or existing before a particular war, especially the American Civil War.”=「特定の戦争(特にアメリカ南北戦争)の前に発生、あるいは存在した」という形容詞。ラテン語の「開戦前」という意味の言葉から派生したアメリカ英語で、「南北戦争以前の」という意味で使われる。これだけでも、実は本作を正しく読み解くヒントになる。
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