タランティーノ最新作のメインビジュアルにはこんな裏話が!
ブラッド・ピット主演×鬼才クエンティン・タランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』(11月20日公開)で、悲劇のヒロイン、ショシャナ役を熱演している新進美人女優メラニー・ロランを直撃! 彼女が赤いチークを引くメインビジュアルの撮影秘話を語ってもらった。
プラチナブロンドでとってもチャーミングなメラニーは、本作のヒロインを凜として演じ、世界中から脚光を浴びている。演じるのは、ナチスに家族を虐殺されたショシャナ役だ。そんなショシャナが赤いドレスで赤いチークを塗るシーンがメインビジュアルとして使われている。「あのシーンは、すごくよかったわよ。2日間かけて撮影したんだけど、素晴らしいカットになるなと想像できたもの」と興奮気味に答えてくれたメラニー。
劇中では、デヴィッド・ボウイのテーマ曲「キャットピープル」が流れるが、実際のロケ現場でもタランティーノ監督がこの曲を流してくれたと言う。「あのリズムに合わせてチークを引かなければいけなかったから、音楽があってすごく助かったの。割とこぢんまりしたセットで撮ったんだけど、スタッフ全員が上機嫌だった。タランティーノ監督からは『終電車』(80)のカトリーヌ・ドヌーブになってくれ、と言われたの。とっても気持ちよかったわ」。
『終電車』は、名匠・フランソワ・トリュフォー監督による、ナチス占領下のパリを舞台にしたロマンスだ。タランティーノ監督は、いつもそんなふうに具体的な作品や役柄を挙げて演出するのだろうか? 「そうしない時もあるけど、決して抽象的な言い方はしないの。演出はすごく明確なので、一言二言聞いただけで、あ、そういうことねってすぐに分かるのよ」。
メラニーは、自身も短編映画を監督しているが、監督としての目線から見たタランティーノ監督の演出の良さとは? 「彼は素晴らしい船長よ。スタッフやキャストを同じ船に乗せて『ついてこい』って感じで、船頭をするの。彼は俳優たちをとても愛してるし、現場で何が必要かを完璧に分かっている。そして役者を信頼して、自由にやらせてくれる。でも、彼のビジョンは万人にないような素晴らしいものがあるわ。今回監督目線で見て学んだことは、偉大な監督は1つひとつのカットでストーリーを語るということ。すべてのショットに意味があるのよ。私もぜひ次回作でそれを実践したいわ」。
メラニー自身も、現在長編のシナリオを書いていて、来年の夏にクランクインすると言う。「1週間前にプロデューサーにシナリオを渡したばかりだから、内容はまだ秘密ね。日本にもプロモーションに来たいわ!」。
女優としての美ぼうと才能だけではなく、監督としての展望も明るいメラニー・ロラン。本作では、ブラッド・ピットに負けず劣らずの熱演を見せている。特にメインビジュアルのシーンは胸が躍るくらいにかっこいいのでお楽しみに!【Movie Walker/山崎伸子】