「自分を苦しめたのも救ったのも友人だった」…神尾楓珠、山田杏奈らが熱演を魅せる『彼女が好きなものは』に共感の声
神尾楓珠が映画初主演を果たし、山田杏奈らが共演する『彼女が好きなものは』(12月3日公開)。「腐女子、うっかりゲイに告る。」のタイトルで2019年にドラマ化もされた浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」を、『世界でいちばん⻑い写真』(18)、現在放送中のドラマ「消えた初恋」の草野翔吾監督が映画化。
本作は、ゲイであることを隠して生きる高校生とBL好きの女子高生の交流を通して、セクシュアルマイノリティの抱える生きづらさや、当事者に向けられる無意識の偏見、それらを乗り越えようとしていく若者たちの姿を、切実にしかし清々しく描いている。本作の魅力を、MOVIE WALKER PRESS独占試写会でひと足早く鑑賞した映画ファンの声から迫っていきたい。
思わず見入ってしまうフレッシュなキャスト陣の熱演
主人公の安藤純役を演じるのは、主演を務める放送中のドラマ「顔だけ先生」でも注目を集めている神尾楓珠。自らのセクシュアリティを自覚する一方で、異性と結婚し、子どもをもうけて、家庭を築く…そんな“普通”とされてきた幸せの形も諦められない複雑な感情を抱えた主人公の内面を、ふと遠くを見つめる眼差しや震えるように言葉を絞り出すセリフ回しなど、繊細な演技で表現。葛藤が伝わってくる演技には多くの絶賛が寄せられた。
「切ない表情などとても上手く感情を表現されていて、見ているこちらもつらくなった」(10代・女性)
「純の普通でありたいという気持ちと心のままに生きたいという気持ちの葛藤を熱演していたと思います」(40代・女性)
「とても感情が伝わってきました」(40代・男性)
「透明感があって、役にはまってた」(40代・女性)
そんな純と並ぶ本作のもう1人の主人公、三浦紗枝には『ミスミソウ』(18)や『ひらいて』(公開中)など、近年注目を集めている山田杏奈が扮している。BL好きがバレてしまったことを機に、純と急接近する紗枝は、純がゲイであることや彼の苦悩を知り葛藤。BLに対する自身の向き合い方に悩んだり、こちらも感情の動きを見せるキャラクターだ。
「複雑な感情が多い役を演じ切っていた」(20代・女性)
「泣いたり笑ったり、表情がくるくる変わってかわいい。マイクパフォーマンスもすごかった」(40代・女性)
「紗枝がBLについて楽しそうに話すシーンはとても生き生きしていて良かったです」(30代・男性)
「かわいさのなかに芯の強さが表現されているようで引き込まれました!」(30代・女性)
「主人公のことを100%理解できなくても寄り添っていこうという姿勢が美しかった」(30代・男性)
また紗枝が、全校生徒に対してBL好きだと宣言する印象的なシーンにも、「三浦さんの演説のシーンは、表情、声の振るわせ方、最高でした」(女性)、「大人に若者の声を届けようとしている姿に感銘を受けました」(10代・女性)と、心揺さぶられた人が多かったようだ。
2人を取り巻く高校生を演じたフレッシュなキャストたちにも、共感や称賛の声が。それぞれ異なる感情を抱えたキャラクターを体現しており、彼らの演技で作品のリアリティが増している。例えば、純の幼なじみで、なにがあろうと変わらぬ態度で純を支える亮平役の前田旺志郎の存在感に、心を奪われたという意見が集まっている。
「純にまっすぐに向き合った姿が印象的だった」(20代・男性)
「演技が自然で“クラスにいる男子”を的確に表していると感じた。彼の存在が“日常感”を際立たせていた」(10代・女性)
「前田くんは本当にすてきな演技するなと、いろいろな役で見たいです」(30代・女性)
また、セクシュアリティを偽っていた純に対し牙を剥くクラスメイトの小野役を演じた三浦獠太についても、「自分を表現することにためらいのない姿が印象に残った」(20代・男性)、「場面場面で共感できる感情の動きがとても伝わってきた」(10代・男性)など、感情の機微を捉えた演技が心に残ったようだ。