福原遥&美山加恋&富田望生が語り合う、“仕事への覚悟”を決めたターニングポイント
福島県いわき市にある、スパリゾートハワイアンズの新人フラガールの主人公と仲間たちの絆を描くオリジナル長編アニメーション映画『フラ・フラダンス』(公開中)。メインキャラクターの声優に抜てきされた福原遥、美山加恋、富田望生が、新人ダンサーの成長をみずみずしく演じている。3人がこれまでにも共演歴があるからこそわかる、それぞれの素顔を息ぴったりに告白。また人生の早い段階で芸能界入りを果たしたという共通点もある彼女たちが、“仕事への覚悟”を決めた瞬間について語り合った。
「鋼の錬金術師」や「機動戦士ガンダム00」の水島精二が総監督を務め、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」『きみと、波にのれたら』(19)の吉田玲子が脚本を担当した本作。フラガールだった姉の姿を追ってステージデビューを目指す夏凪日羽役を、本作でオリジナルアニメ映画初主演となる福原、日羽の同期となる新人フラダンサーで、プロ意識が高くしっかり者の鎌倉環奈役を美山、チームのムードメーカーとなる滝川蘭子役を富田が演じている。3人の証言によると、誰もが「その役にぴったり」と楽しそうに笑う。
「映画を観てくれる方に元気を届けられたら、すごくうれしいです」(福原)
ーーフラガールという職業を選んだ新社会人の成長を表現されました。どのような意気込みで本作に飛び込まれたのでしょうか。
福原「5人の新人フラガールの成長を描くお話だと聞いて、その5人もとても魅力的なキャラクターでしたし、彼女たちが仲間と出会い、絆を深めながら奮闘していくというストーリーもすてきだなと思いました。まぶしいほどの青春を感じて、私自身も前向きになれたり、背中を押してもらえる作品になるんじゃないかなと感じ、オーディションには“絶対に受かりたい”という気持ちで臨みました。同時に、自分も作品の一部になって、映画を観てくれる方を笑顔にできたらどんなにいいだろうと思ったんです。実際に完成した映画を観ても、5人の絆はもちろん、フラダンスというダンス自体にとてもパワーやエネルギーがあることも感じられて、元気を届けられる作品だなとすごくうれしくなりました」
美山「私は3歳からフラダンスを習っていたので、フラダンスを題材にした映画ができること自体もとてもうれしかったです。さらにオーディションがあるとのお話を聞き、“これはもうやるしかない!”って(笑)。オーディションを受けて、環奈役をいただくことができました。環奈はフラダンス経験者の女の子なんですが、監督からは私が演じたお芝居に対して『フラダンス経験者としての説得力がある』と言っていただけて、フラダンスをやっていて本当によかったなと思いました。新人フラガールのなかでは一番、フラダンスをやってきたという想いや、プロとして働く大変さも知っている子なので、そういった環奈の強さもしっかりと表現したいなと感じていました」
富田「私も本作の舞台となっているいわき市の出身で、フラガールは私が初めて憧れをもった女性たちなんです。『スパリゾートハワイアンズを舞台に、フラガールのアニメができます。参加してくれませんか?』とのお話をいただき、それはもう受けないわけがないです!二つ返事でお受けして、家族に『フラガールを題材にした映画ができるんだって!』と大喜びで報告しました。脚本を読むと、震災から10年経ったいわき市を舞台にした内容で、私が地元をどう思っていて、どうなってほしいのか。そして皆さんにどう感じてほしいのか、そのすべてが詰まった作品でした。こんな作品に声優として携われるということは、このうえない幸せです」
ーー地元に貢献できるお仕事ができるということは、大きな喜びになりますね。
富田「私は子どものころから“女優になりたい”という夢があったわけではなく、震災を機に地元を離れ、なんだか宙ぶらりんで打ち込めるものがないなと感じていた時に、俳優養成所の広告を見つけて“映画やテレビに出たら、離れた友だちに見てもらうこともできるかもしれない”と思い、この世界に入りました。そんな単純な気持ちで始めたことですが、一つ一つのお仕事に向き合っていくうちに、できることならばすべて、地元への貢献につながるようなことができたらいいなと思うようになって。こういった未来のある、明るい作品で地元に関われたことは、本当に感謝しかありません」