神尾楓珠と三浦獠太、『彼女が好きなものは』映画初主演&初出演でも気負わない2人の本音トーク
⾃分がゲイであることを隠している⾼校⽣と、BL好きのクラスメイトとの恋愛を通して、“普通”の価値観とはなにか?を問いかける青春映画『彼女が好きなものは』(公開中)。原作は、2019年にNHKで「腐⼥⼦、うっかりゲイに告る。」のタイトルでドラマ化もされた浅原ナオトの「彼⼥が好きなものはホモであって僕ではない」だ。本作で映画初主演を果たした神尾楓珠と、映画初出演をした新星、三浦獠太にインタビュー。
ゲイである主人公、安藤純役を神尾が、BL好きのクラスメイト、三浦紗枝役を山田杏奈が、クラスの人気者で2人と交流していく小野雄介役を三浦が演じた。本作は、神尾と山田の爽やかなビジュアルやタイトルから想像されるありふれた青春映画とも違うし、単なるセクシュアルマイノリティだけを扱った作品でもなく、もっと懐の深いテーマを内包する。共演を通して親交してきた神尾と三浦が、本作に懸ける想いを語ってくれた。
「セクシュアルマイノリティの物語だけど、それ以上に高校生の普遍的な悩みがすごくリアルに描かれています」(三浦)
――まずは、脚本を読んだ感想から聞かせてください。
神尾「主人公である純の葛藤がしっかり描かれているなと感じました。だからこそ純役を自分が繊細に演じ切れるかどうか、正直、不安はありました。デリケートな内容なので、解釈が少しでも違うと、誤解を生んでしまいそうだと思って。でも、僕はいままでこういう役を演じたことがなかったので、挑戦してみようと思いました」
三浦「僕はセクシュアルマイノリティの物語だけど、それ以上に高校生の普遍的な悩みがすごくリアルに描かれているという印象を受けました。この映画はきっといろんな人に共感してもらえる作品になるんじゃないかと思います」
――神尾さんは映画初主演、三浦さんは映画初出演ということで、それぞれプレッシャーはなかったですか?
神尾「僕は全くなかったです。初主演作ということも全然気づかなくて、そういえばそうだったんだと(笑)。だからあまり気負わずにできました」
三浦「僕は映画の現場に入るのも初めてだったので、最初はめちゃくちゃ緊張しました。でも、(草野翔吾)監督がいろいろとアドバイスをしてくださったし、皆さんからものづくりの深さをすごく学べたので、出演できて本当によかったと思っています」
――神尾さんは、自分のセクシュアリティに悩む純役にどうアプローチされていったのですか?
神尾「最初はゲイの方について調べて、細かい目線の動きなどを作っていきましたが、役に馴染んできてからは、なにも考えなくても純でいられるような感覚になれました。特に後半は、作戦的になにかをやろうということはまったく考えずに演じられました」
――本作の脚本も務める草野監督は、神尾さんの純役は完璧だったと太鼓判を押されていました。いつごろ役をつかめた感じですか?
神尾「本読みの段階ではまだフワッとしていましたが、その時点で草野監督が『それでいこう』とおっしゃってくださったので、核となる部分はそこで決まったかなと思います」