コラム 2021/12/24 21:30

物語は転換点に！劇場版『Ｇのレコンギスタ III』「宇宙からの遺産」Blu-rayパーフェクトパックの豪華特典を開封レビュー

ページをめくるだけで本編のストーリーが読み取れる分厚い絵コンテ

このボリューム感たっぷりの絵コンテを開くのも今回で3回目。その描き込みの緻密さにはいつも驚かされるばかりで、1コマ1コマそれぞれに、キャラクターの動きについての詳細がメモ書きや矢印で記されている。ページをめくっていくだけでも、本編のストーリーを追うことができる。

【写真を見る】ファン必見のレア特典！自身の運命に怒り、悲しむ…心情を丁寧に描いた絵コンテ

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本作の重要シーンと言えば、月の裏側にあるスペースコロニー国家トワサンガを訪れた主人公のベルリ・ゼナムやアイーダ・スルガンが、その出生の秘密を知るシーン。2人はトワサンガの元王家だったレイハントン家の末裔で、生き別れた姉と弟だったことが判明するのだ。

Ｇ-セルフに搭乗する才能あふれるパイロットのベルリ・ゼナム[c]創通・サンライズ

アメリアの海賊部隊に所属し、「姫様」と呼ばれ、慕われているアイーダ・スルガン[c]創通・サンライズ

アイーダに想いを寄せていたベルリは、この真実に激しく動揺し、ぶつけようのない怒りや悲しみ、嫌悪感などが入り混じった複雑な感情を1人で爆発させていた。絵コンテでこの場面を見てみると、夜の森でただ一人のたうち回る彼の動きや表情の変化も読み取ることができ、その苦しみが手に取るように伝わってくる。

ページをめくるだけで、ストーリーを追うことができるほど、緻密にシーンが描き込まれている

名セリフがどのように書かれていたかがわかる録音台本

録音台本は今回も2冊に分けられていて、パラパラと眺め読むのに便利。中面は上下に分かれていて、上がシーンの説明、下がキャラクターのセリフになっている。先ほどのベルリが慟哭するシーンを開いてみると、「大人の、都合や、趣味に、付き合わされて、命のやりとりをさせられているのは、このぼくの体なんだぞ！アイーダさんがいたから、メガファウナに乗ったっていうのに、それが姉さんだったなんてっ！」などの痛々しい言葉が並んでいる。細かく配置された読点や言葉と言葉のスペース、「…」や「！」といった記号も使いながら、激しい感情の起伏や言葉が詰まる様子を示していたことが確認できる。本編映像とあわせて読んでみて、これらのセリフをキャスト陣がどのように表現したかを見比べてみるのもおもしろそうだ。