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批評家が選ぶ、歴代「スパイダーマン」ランキング!サム・ライミ版からMCU版まで“フレッシュ”の嵐

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批評家が選ぶ、歴代「スパイダーマン」ランキング!サム・ライミ版からMCU版まで“フレッシュ”の嵐

アカデミー賞に輝く『スパイダーマン:スパイダーバース』が97%フレッシュを獲得!
アカデミー賞に輝く『スパイダーマン:スパイダーバース』が97%フレッシュを獲得!写真:EVERETT/アフロ

もっとも高い評価となる97%フレッシュを獲得したのは、12作品のなかで唯一のアニメーション作品となる『スパイダーマン:スパイダーバース』。「LEGOムービー」シリーズなどを成功に導いたフィル・ロード&クリス・ミラーが製作を務め、従来の「スパイダーマン」作品とは異なる新たな主人公マイルズ・モレラスの物語を描きだした。複数のスパイダーマンが登場する設定の魅力はもちろんのこと、とりわけ高評価の決め手となったのはそのアニメーション表現だ。

一般的なアニメ映画や実写映画ともかけ離れたコミック調のルックと、CGによって実現された立体感が融合を遂げ、まるでアメコミの世界に入り込んでいるかのような印象を受ける。この画期的な映像表現はアメコミファンや映画ファンはもちろんのこと、批評家からも絶大な評価を集めることとなり、第91回アカデミー賞では長編アニメーション映画賞を受賞。2022年には続編となる『SPIDER-MAN: ACROSS THE SPIDER-VERSE(PART ONE)』の公開が決定し、さらなる続編の製作も進められていることが発表されている。


主人公に大抜擢されたのはトム・ホランド
主人公に大抜擢されたのはトム・ホランド写真:EVERETT/アフロ

実写版「スパイダーマン」も軒並み高評価が目立つなか、ひときわ目を引くのはトム・ホランドがピーター・パーカー/スパイダーマン役を演じたMCU版の人気ぶりだ。“出演作”ということで加えた94%フレッシュの『アベンジャーズ/エンドゲーム』はひとつの大きなエポックメイキングだっただけに抜けた高評価を獲得しているのも納得。それに加え、スパイダーマンの単独主演作となった3作品も、すべてが90%フレッシュを超える高評価となっている。

なかでもコロナ禍での公開でありながらあらゆる記録を塗り替えるメガヒットを飛ばす『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は前2作を上回る93%フレッシュを獲得。北米公開直後こそ『エンドゲーム』を超えるスコアだったものの、母数が増えたことでポイントダウン。だからといって辛辣な評価が増えたわけではなく、脚本の辻褄やファンサービス色の強さが少々指摘されるようになっただけで、これは娯楽映画にはよくある現象だ。同作が3部作の完結にふさわしいドラマ性と、「スパイダーマン」らしいずば抜けた娯楽性の高さを有していることに関しては疑う余地がない。

MJ役はキルスティン・ダンスト!大ヒットと高評価の両方を獲得し、アメコミ映画のブームを築き上げた
MJ役はキルスティン・ダンスト!大ヒットと高評価の両方を獲得し、アメコミ映画のブームを築き上げた写真:EVERETT/アフロ

一方でトビー・マグワイアがピーター・パーカー/スパイダーマン役を演じたサム・ライミ版は、1作目と2作目がいずれも90%超えの高評価。世界中に驚きを与えた革新的な映像表現と、スパイダーマンのオリジンとして魅力的なストーリーが光った1作目。そして2作目ではそれをさらにブラッシュアップさせて、コミカルさや青春模様を強化。『ノー・ウェイ・ホーム』でも両作の悪役(グリーン・ゴブリンとドクター・オクトパス)が重要な役割を果たしていたことからも分かる通り、このサム・ライミ版は「スパイダーマン」シリーズを語る上で欠かすことがなきないものであろう。

そしてアンドリュー・ガーフィールドの『アメイジング・スパイダーマン』は、72%フレッシュとスコア的には物足りなさが残るとはいえ「スパイダーマン」の魅力を存分に活かした青春映画であった。ちなみにこの10傑に入らなかった2作品は『スパイダーマン3』(07)と『アメイジング・スパイダーマン2』(14)の2作品。前者は63%でかろうじて面目を保っているが、後者は52%で“ロッテン”となってしまっている。

2作目で打ち切りになったものの、ファンの間で根強い人気を誇る「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ
2作目で打ち切りになったものの、ファンの間で根強い人気を誇る「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ写真:EVERETT/アフロ

『ノー・ウェイ・ホーム』をもって一旦終止符が打たれることとなったMCU版「スパイダーマン」。今後の展開についてはまだ明らかにはされていないものの、「ヴェノム」シリーズなどを展開してきたソニー・ピクチャーズ製作のマーベル映画のユニバースの名称が「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」となったことからも、今後そちらに合流するのではないかという見方が強まっている。

実写もアニメも問わずスクリーンで躍動をつづけるスパイダーマンが、今後どのような展開を見せていくのか、大いに注目が集まるところだ。

文/久保田 和馬

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