キューバ出身の最旬女優アナ・デ・アルマスの吸引力と、魅惑の「007」ロケーション
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも登場、「007」にビーチは欠かせない!
カリブ海周辺はシリーズの発祥地としてなじみのある海域だ。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でボンドはジャマイカのポート・アントニオにあるサン・サン・ビーチの一角にあるコテージで引退生活を送っている。ジャマイカはシリーズ第1作『007 ドクター・ノオ』(62)で初代ボンドガール、ウルスラ・アンドレス扮するハニー・ライダーが、ビキニにベルトに差したナイフ姿で登場したラフィング・ウォーターズ・ビーチがある場所だ。
ハニーが鼻歌を歌いながら波打ち際まで戻ってくるこのシーンは衝撃的で、後にシリーズ40周年記念作『007 ダイ・アナザー・デイ』(02)でハル・ベリーがこのスタイルと登場シーンを完コピして話題になった。ジャマイカと並んで”カリブ3か国”の楽園の一つに数えられるバハマの首都ナッソーが舞台の『007 サンダーボール作戦』(65)で、クローディーヌ・オージェ扮するドミノとボンドが出会うのが、有名なリゾート地「アトランティス・パラダイス・アイランド」。ショーン・コネリー演じるボンドがドミノの足の裏に刺さった棘を口で吸い取るシーンのエロチックなことと言ったらなかった。海はボンドと女性たちの出会いの場としては最適だ。
マニアの間ではシリーズ屈指の名編に数えられる『女王陛下の007』(69)で、ジョージ・レーゼンビー演じるボンドとダイアナ・リグ演じるトレーシーが劇的な再会を果たすのは、スイス、グリンデルヴァルトのスケートリンクだ。この後、トレーシーは悲劇的な末路を辿ることになる。
アジアに目を向けると、『007は二度死ぬ』(67)の日本、『黄金銃を持つ男』(74)の香港、タイ、『トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)のベトナムなど、過去に何か所が登場しているが、そろそろ久しぶりに日本ロケを期待する声は高い。
あの時、若林映子や浜美枝が限界ギリギリで躍動した欧米人にとっては異国の地だった日本が、いまならどう映るかをファンは知りたいのだ。実は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では予定していた日本ロケがキャンセルになった経緯があり、ロケーション・マネージャーのチャーリー・ヘイズによると近々日本ロケ案の復活もあり得るとか。果たしてそこでは、どんな新ボンドが、どんなボンドウーマンと、どんな風に関わるのか、永遠に興味は尽きないのだ。
発売中の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』4H UHD&Blu-ray&DVDには、「マテーラでの撮影」「世界を駆けるボンド」といった本作のロケーションの裏側がわかる特典映像も収録されている。また、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』スペシャルサイト「#永久保存版007」では、スペシャルグッズ 6点セットが当たるキャンペーンも実施中だ。ぜひパッケージで作品を観直して反すうし、想いの丈を綴ってほしい。
文/清藤秀人