ピュアな関係が尊すぎ…“萌え”が進化した『チェリまほ』、ドラマ版の名シーンプレイバック【前編】
第3話…新たな恋と、せつない想いの行方
この回では、安達の親友で小説家の柘植も魔法使いになり、彼のうちに来る宅配業者の湊の声を聞いたことで、彼らの恋のサイドストーリーが始まる。一方、安達と黒沢は、安達が勇気を出してご飯に誘うが、後輩の六角に誘われて社内の飲み会に参加することに。そこで始まった王様ゲームで、黒沢と安達は王様からキスすることを命令されてしまう。固く目をつぶってこわばる安達に気づいた黒沢は口にするのはやめておでこにキスし、「ごめん」と心のなかでつぶやく。席を立つ黒沢を追った安達は「ごめんな、好きになって」とさらなる黒沢の心の声を聞くことに。安達への想いであふれているからこその、黒沢の健気な気持ちが非常にせつない。心動かされた安達が「嫌じゃなかったよ、お前のキス」と告げると、黒沢は「それ、どういう意味かわかってるの?」と安達に問う。
第4話…ヒーローのような黒沢の意外な心の内
第4話は、同じ会社に勤める藤崎にスポットが当てられる回でもある。会社の用事で外出中の藤崎がガラの悪い連中に絡まれたところを助けようとする安達だが、逆に殴られそうに。そこに颯爽と登場して安達を守り、相手の腕をガッとつかんで「安達に触るな!」と心のなかでも牽制する黒沢。この黒沢には、安達だけでなく、視聴者も惚れ惚れしたのではないだろうか。
反対に安達は自分の情けなさに落ち込むが、ケガしていた安達を黒沢が手当をすると「失敗した…きっとうざったいよな…」と、出しゃばりすぎたと反省する黒沢の心の声が。安達は、完璧に見える黒沢の自信ない意外な内面を知って、さらに親近感を覚えていく。
第5話…黒沢のそばに謎の美女が!嫉妬する安達
前回は不甲斐なかった安達だが、今度は黒沢が取引先相手に変局を迎えていたところ、魔法を使って救うことができる。黒沢からお礼を言われた安達は、コピー機に隠れながらガッツポーズを取ったりするなどユーモアあふれるシーンも。
しかし、退勤時に黒沢が美女と一緒にいるところを目撃し、元カノだと思い込んだ安達は黒沢に不機嫌な対応をとる。嫉妬していることが丸わかりで、見ているほうはにっこり。その後、そんな安達の態度を体調を崩したのかと黒沢が気遣うと本当に倒れてしまう安達。するとすかさず黒沢が受け止めて、そのまま安達をお姫様抱っこ!スローモーションで映しだされるこのシーンは、思わず声が出てしまうほどの胸キュンシーンなので、見る際はどうか注意してほしい。そして、黒沢が安達を送っていこうとすると、待ち伏せしていた例の美女もタクシーに乗り込んできて、まさかの修羅場展開に!?
安達と黒沢を中心として、周囲の人々のにぎやかな表面の姿と心に秘めた意外な思いを丁寧にピックアップするドラマ前半。個性豊かなキャラクターそれぞれに感情移入させられ、ドラマにより没入することができる展開になっている。
では、安達と黒沢の関係がより前進していく第6話から最終話の第12話までを紹介。ラブコメドラマとしてはもちろん、温かなヒューマンドラマとしての面も持つ「チェリまほ」をぜひ楽しんでほしい。
文/牧島史佳
※榊原郁恵の「榊」は正しくは「⽊」へんに「神」