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渋谷の道玄坂上や赤羽…1990年代東京を完全再現!「TOKYO VICE」が挑んだ“世界で最もロケが難しい都市”での撮影秘話

コラム

渋谷の道玄坂上や赤羽…1990年代東京を完全再現!「TOKYO VICE」が挑んだ“世界で最もロケが難しい都市”での撮影秘話

これぞハリウッド流!巨匠マイケル・マンの半端ないこだわり

様々な話を聞くにつれ、ロケ地選びから美術などの細部にいたるまで、マン監督の並々ならぬこだわりが伝わってくる。そんな彼の右腕というべき存在だったのが、『TENET テネット』(20)のロケーション・スーパーバイザーも務めたジャニス・ポーリーだ。

マン監督とは今回が8作目となる彼女は、「監督が望むことをなにがなんでも実現するために、決して妥協しない人だった」と鎌田は振り返る。「監督もジャニスも東京に詳しくなかったので、『東京にどんなものがあるのか、とにかくどんどん見せてくれ』というスタンス。山ほど候補の場所を見せて、山ほど『No!』と言われました(笑)。ジャニスによると、それは監督にとっては、珍しいことではないようで、例えば、『ヒート』の劇中、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが初めて対面するレストランは、300店くらいロケハンしたらしいんです。それで最終的には、最初に見た店に決まったと。『そういうものなのよ、だから、頑張ろう!』という感じでしたね」。


巨匠マイケル・マンのこだわりも半端ない!
巨匠マイケル・マンのこだわりも半端ない![c]Everett Collection/AFLO

第2話以降は、『37セカンズ』(19)のHIKARI、「ナルコス」のジョセフ・クボタ・ラディカ、「ニュースルーム」のアラン・プールらが監督を務める。「僕たちは『きっと2話目からはプレッシャーが軽くなるよ』なんて言っていましたが、全然そんなことはなかったですね(笑)。どの監督も、マン監督のあとに続かないといけないというプレッシャーもあったでしょうし、こだわりがすごかったです。そのぶん、“東京を見せる”という意味では、どんどんおもしろくなっていると思います」と鎌田は太鼓判を押す。

風俗街で暗躍する刑事、宮本との交流を深めるジェイク
風俗街で暗躍する刑事、宮本との交流を深めるジェイク[c]HBO Max / James Lisle

TOKYO VICE」での撮影を通して、アメリカの監督たちが東京の魅力を知ったことにより、今後また新たな海外作品の誘致へとつながっていく可能性は高い。そんな大きなきっかけとなるかもしれない本作に込められた監督たちの情熱、各シーンの向こう側にある大勢のスタッフの汗と努力を、スリリングかつパワフルな映像から感じ取ってほしい。

取材・文/石塚圭子


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