圧倒的な映像世界に浸る!『バブル』ドルビーシネマ版で物語に没入しよう
「進撃の巨人」シリーズのアクション映像で観る者を圧倒した荒木哲郎が監督を務め、「魔法少女まどか☆マギカ」の濃密なストーリーテリングで社会現象を巻き起こした虚淵玄が脚本を担当。さらに、「DEATH NOTE」「バクマン。」などの漫画家、小畑健がキャラクターデザインの原案で参加! そんな日本が誇る現代の最強クリエイターが結集し、世界に放つ『バブル』(公開中)は、日本アニメーション界のパワーを見せつける驚愕のアクション・エンタテインメントだ。
世界に降り注いだ泡(バブル)で、重力が壊れた東京。ライフラインが断たれた東京は家族を失った一部の若者たちの遊び場となり、ビルからビルを駆け回るパルクール(走る、跳ぶ、登るといった移動に重点を置いたスポーツ)のチームバトル“バトルクール”の戦場となっていた。そんなある日、危険なプレースタイルで注目を集めていたエースのヒビキ(声:志尊淳)は、無軌道なプレーで重力が歪む海へと落下してしまう。だが、そこに不思議な力を持つ少女ウタ(声:りりあ。)が突如現れ、彼を救出。ヒビキとウタは、2人だけに聞こえる“音”をきっかけに心を通わせていくが…。
謎の少女と遭遇した少年ヒビキと、彼に恋をした少女ウタが、沈みかけた東京を舞台に激しくもせつないメロディを奏でる本作だが、想像を遥かに超えたアクション、色彩が渦巻く怒涛の映像世界を最大限に味わいたいなら、最高の映像体験ができる「ドルビーシネマ」で観ることをオススメしたい。
「ドルビーシネマ」は、広色域と高いコントラスト比を実現させた最新映像技術「ドルビービジョン」と、音が頭上も含めた空間を縦横無尽に移動する立体的なサウンド「ドルビーアトモス」からなるプレミアム・シネマのこと。そんな画期的なシステムによって、『バブル』の輝きがどれほど増したのか? ここから映画の具体的なシーンや描写を絡めながら紹介していこう。
『バブル』の舞台となる重力が壊れた東京は、巨大な泡に包まれ、空中には泡や岩、壊れた列車の車両が浮かんでいる。映画の前半は、その異世界の東京で、ヒビキらのチームと相手チームがハイスピードで激突するバトルクールが大きな見どころになっている。
ヒビキたちが、壊れた鉄橋の上や崩れ落ちる寸前の廃ビルの下を駆け抜け、宙を舞う列車の中を通り過ぎたと思ったら、空中で漂流する岩を蹴って天空までダイブ! ヒビキやウタ、敵対チームが炸裂させる、アクロバティックなバトルクールの躍動感と浮遊感を「ドルビーシネマ」は鮮明な色彩と繊細な映像、風や鳥の鳴き声、水しぶきをリアルに再現したサウンドで体感させてくれる。
さらに、海に沈んだヒビキをウタが救出する2人の出会いのシーンでは、地上から深海まで届く光や水泡、地上とは異なる重力などの細かいディテールまでリアリティをもって描かれているから、いつの間にか自分も『バブル』の世界の住人になってしまうのだ。
だが、ここまでは『バブル』の世界を紹介する大いなるプロローグに過ぎない。いまだかつて誰も体験したことのない本作の映像表現、それを最高のレベルで届ける「ドルビーシネマ」の威力が爆発するのは、東京で再び降泡現象が始まるクライマックスだ。
破壊された東京を象徴するタワーから聞こえてくる謎の“音”とウタの美しくもせつない歌声、泡の秘密に迫るためにタワーの鉄骨をジャンプで登っていくヒビキたちのアクションが「ドルビーシネマ」のハイクオリティのレンジでひとつになり、衝撃の真実へと一気に突き進んでいく。
観た時の感動が薄れるので詳細は書かないが、このクライマックスでは泡をめぐる恋人たちの姿を通して、本作がモチーフにした童話「にんぎょ姫」のエッセンスも解き明かされ、興奮と感動が最高潮に!「ドルビーシネマ」で、そんな心の重力も解放するグラビティ・アクションに没入してみてはいかがだろうか。
文/イソガイマサト