「仕事の喜びが詰まっている」「元気と勇気をもらえた」『ハケンアニメ!』が“刺さった”観客の声に見る、胸を打つ魅力
スタッフ陣も本格派!「1クール観た気分を味わえる」劇中アニメ
心を熱くするストーリーと共感必至の登場人物たち、そしてもう一つ本作の見どころとなるのは、瞳が手掛ける「サバク」こと「サウンドバック 奏の石」と、王子が手掛ける「リデル」こと「運命戦線リデルライト」の2作の劇中アニメだ。
両作品とも「攻殻機動隊」シリーズなどで知られるProduction I.G.をはじめ、日本を代表するアニメプロダクションやクリエイター陣が参加した、劇中アニメの枠を超越した本格派。原作者の辻村は、制作陣が作品のイメージを構築しやすいようにとそれぞれ12話分のプロットを自ら書き下ろししたという。その熱量の高さで生まれた圧巻のクオリティに、東映の公式YouTubeチャンネルで特報映像が公開された際には、多くのアニメファンから驚きの声があがっていた。
「サバク」は田舎町を舞台に繰り広げられる王道のジュブナイルロボットアニメーション。実際に監督を務めたのは「若おかみは小学生!」などで知られる谷東監督で、キャラクターデザインは窪之内英策、メカデザインは「機動戦士ガンダム00」シリーズの柳瀬敬之が担当。
そして魔法少女たちが魂の力で乗るバイクを変形させライバルたちと競い合う「リデル」は、「プリキュア」シリーズや『ONE PIECE STAMPEDE』(19)の大塚隆史監督が手掛け、キャラクター原案を「デュラララ!!」や「魔法少女まどか☆マギカ」などで知られる岸田隆宏が務めている。
「アニメのクオリティが高くて、すげえーとなりました」(会社員・男性)
「実際にアニメで放送されるのを見てみたい!」(学生・男性)
「本当に1クール見たと錯覚するくらい良かった」(動画編集・男性)
「『サバク』の最終話のシーンで切なくなりました」(病院勤務・女性)
また本編中には「サバク」と「リデル」両者の視聴率争いや、視聴者の間で飛び交うSNS投稿のコメントなどがアニメーションと実写の融合によって表現されていく。新海誠監督の『君の名は。』(16)にCGクリエイターとして参加した吉野耕平監督ならではの斬新な映像表現には、「アニメと実写の融合が疾走感があった」(会社員・女性)、「作中アニメの注目の勢いが可視化されているところが素敵でした」(学生・女性)とのコメントも寄せられており、大いに注目してほしい。
普段なかなか見ることができないアニメ制作の舞台裏が知れるだけでなく、異なる業種であっても仕事の向き合い方を変えるきっかけを与えてくれる。『ハケンアニメ!』はそんな魔法のようなパワーを持った作品に仕上がっている。
劇場を出る時にはきっと晴れやかな気持ちになり、普段観ているアニメも、次の日の仕事へ向かう道のりさえも、これまでとはまったく違ったものに見えることだろう。
文/久保田 和馬