期待と不安は7:3、鑑賞後は大満足!“ガンオタ”と“ガンムチ”が『ククルス・ドアンの島』を観てみた!

コラム

期待と不安は7:3、鑑賞後は大満足!“ガンオタ”と“ガンムチ”が『ククルス・ドアンの島』を観てみた!

「モビルスーツの作画に、“これはかっこいい”と唸ってしまいました」(渡辺)

下田「今回の映画を観て、ガンダムってロボットアニメであると同時に、“SF戦記”なんだなと強く思わされました。島に残された戦争孤児のような子どもたちを描くところは、映画としてすごくいいなと思いました」

渡辺「ガンダムというフォーマットだけど、映画の内容的にはすごく真っ当というか、正当というか…。生き残った子どもたちを守る大人、そこには戦争の影が…みたいな描かれ方は、一つの作品として観られたポイントだと思います」

下田「ガンダムって現実の戦争を描くわけじゃないけれど、戦争について考える機会を与えてくれる。本作は本編とは切り離された単体のエピソードですが、凝縮されていると感じました。実際にみなさんがガンダムっぽさを感じたシーンはありますか?」

テレビアニメ放送時の面長な作画の印象が残るドアン専用ザク
テレビアニメ放送時の面長な作画の印象が残るドアン専用ザク[c]創通・サンライズ

渡辺「ガンダムシリーズには、“戦争を通して少年少女が成長していく”という大枠があります。今回も本筋から離れていないぞ、というのはファン的に感じられたのですごく受け入れやすかったです。それでいて、しっかりアクションシーンもあったし、なによりガンダムとザクがめちゃくちゃかっこよくなっているのも魅力的です。モビルスーツの作画がオリジナルアニメと全然違うので、“これはかっこいい”と唸ってしまいました。これを大画面で観られるのは、ガンダムファンにとってかなり嬉しいポイントだと思います。戦闘シーンはそれほど多くないけれど、音楽が流れて戦いが始まると『待ってました!』という感覚になりました」

田中「おなじみの音がアレンジされて使われているので、ドアンの人間的な部分が描かれる物語に入り込みながらも、音により本筋の映像が浮かぶ、みたいなところはありました」

下田「地上戦のアクションはいかがでしたか?」

田中「好きです!宇宙空間ではなく、大地に足をつけていることや、“子どもたちのために戦っている”という目線も入るからなのかもしれないけど、“どこかの世界”のロボットの戦いというよりも、距離感が近く感じる部分が多かったです。私たちのためにがんばって戦ってくれているみたいな気持ちになりました。リアルじゃないけれど、実感がわくような感覚です」

子どもたちの兄・姉的存在、マルコスとカーラのアムロ、ドアンとの関わりも物語を深めさせる
子どもたちの兄・姉的存在、マルコスとカーラのアムロ、ドアンとの関わりも物語を深めさせる[c]創通・サンライズ


渡辺「テレビアニメ版でいうとオデッサ上陸作戦の手前くらいのエピソードになります。地球連邦軍VSジオン軍が戦う嵐の前の静けさのようにも感じて、陰影がすごくいいと感じました。これから始まる大規模な地上戦を前に、個の戦いをエピソードにしているあたりが、幕開けにふさわしいなと。あの映像クオリティでその後の戦いを描いたらどうなるのか、という妄想が掻き立てられました。あと、オリジナル版ではドアンの島は緑に溢れていたけれど…」

田中「映画は茶色っぽかったですね」

渡辺「安彦監督は戦争を描くのが好きなんだろうな、と改めて感じました。緑と茶色もそうだけど、光と影の使い方でもそういったものを感じました」

下田「序盤に子どもが登場するシーンでは緑が多かったけれど、ほかは茶色っぽくて孤島感がありましたよね。陰影はすごく感じました」


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