期待と不安は7:3、鑑賞後は大満足!“ガンオタ”と“ガンムチ”が『ククルス・ドアンの島』を観てみた!
「あの渋い声でドアンが描かれたら、伝説になる」(高橋)
下田「影といえば、ククルス・ドアンというキャラクターにも影を感じました。なにか秘密を抱えているという前提もあるし、みんなを引っ張るリーダーというのかな、島の長のような立場だけど、影がある存在ですよね。映画でよくあるじゃないですか。孤島でみんなを育て上げた父親的立場の人が、実は恐ろしい面を抱えている…みたいな展開(笑)。私は、ククルス・ドアンがどういうキャラクターなのか知らずに入ったので、いい人なの?悪い人なの?とスリリングさも味わえました」
高橋「あんなにかっこよく描かれるとは思ってなかったです。武内さんの声が重なって、さらにステキなキャラクターになっていて。あの渋い声でドアンが描かれたら、伝説になるなと思いました」
田中「また新たな伝説要素がプラスされた感じですよね。こんなに魅力的なキャラクターだとわかったら、めっちゃ人気出ちゃうんじゃない?と思いました」
下田「田中さんが言っていたように、戦っていた時代はあえて描かず、“アフターのドアン”を描いたことにより、映画に重厚感がプラスされた気がします」
田中「多くを語らず、脱走後から描いたのは潔いですよね。戦争で戦った兵士たちのその後には救いがあるべきだから、詳しくは言えませんがアムロがドアンのために“戦いの匂いを消す”…という流れまで描いたところは、好きだと思えるところでした。子どもたちの将来を考えつつ、傷ついた人を助ける安彦監督の優しさのようなものを感じました」
下田「私は、『アメリカン・スナイパー』のブラッドリー・クーパーを思い出しました。あと、声でいうとカーラ役の廣原ふうさんもよかったですよね。カーラがドアンさんに洗脳されているんじゃないか、と感じるほど彼を頼りにしている感じがよく出ていました。ドアンなしでは生きられない!みたいなところとか」
渡辺「古谷さん演じるアムロの声は変わらなすぎて怖いくらいですよね(笑)」
下田「アムロがガンダムで戦うシーンはいかがでしたか?」
田中「先程も話していましたが、映画全体で戦いのシーンは少なめです。だからこそ、ガンダムで戦うシーンは強く印象に残っています」
高橋「本作でのガンダムの戦闘シーンは任侠映画のように描いたそうです」
渡辺「だから二刀流なのかな?」
田中「だから、“待ってました”感があったのか…、すごくインパクトがありましたよね。戦いのあとの行動とかも、グッとくるところがありました」
渡辺「あのラストシーンは原作と一緒ですよね」
高橋「安彦監督はラストだけは変えないと決めていたみたいです」
渡辺「ファン目線で言うとラストが変わらないのはありがたい、というかうれしいです。新しいことを取り入れつつも、ちゃんと第15話のククルス・ドアンの話になっているので僕は大満足です!」
下田「ストーリー自体がガンダムで戦争を描くうえで特別なエピソードだったのかな」
渡辺「もともといい話だったんです」
田中「伝説になる要素を持っていたエピソードだと改めてわかったし、何度も観ることで新たな発見を楽しめる作品だと思います」
構成・文/タナカシノブ