「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン4の舞台は『トップガン』公開の1986年。監督＆キャストが語る、今シーズンの“特別さ”

シーズン3でスティーブとロビンの間に生まれた友情も描かれていたが、ロビンもホーキンスの仲間の一員としてシーズン4に登場する。「(取材の時点では)今シーズンのロビンがどうなるのか、まったく知らされていないんです。ダファー兄弟が築き上げるロビンのキャラクターから、ユーモアのセンス、知性、不器用さ、そういったものがどんどん進化し表されていくでしょう」と言うマヤ・ホーク。シーズン3で『ストレンジャー・シングス』に新しく参加した彼女は、「このシリーズを比類なきものにしているのは、キャラクターたちのケミストリー。彼らと交流することで、私も『ストレンジャー・シングス』の世界に存在できるんだと興奮しました」と、ロビンのキャラクターがどのように物語に関わっていくのか、どの程度の分量の出演になるのかもまったく知らないまま、出演契約書にサインしたのだという。「子どものころから『E.T.』やピクサーのような、家族全員で楽しめる映画を観て育ちました。私の幼い兄弟、親たち、そして祖父母も一緒にこのシリーズを楽しんで観ていました。こんなシリーズがいまのこの時代に作られていて、そこに私も参加できる。本当に幸運だと感じています」。

バイヤーズ家がカリフォルニアに移転したことで、ジョナサン(チャーリー・ヒートン)とナンシー(ナタリア・ダイアー)は離れ離れになってしまう。「ジョナサンとナンシーは、シーズン3のラストに訪れた変化と向き合うことになります。彼らは遠距離恋愛をしているんですが、80年代だから、いまとはまったく違う環境ですよね」とナタリアが言うと、チャーリーは「彼らにとっても将来は不明で、演じながら僕らも『どうなるんだろう』と思っているところです」と、驚きの展開を匂わせる。2人は、このドラマに足掛け6年参加していることになる。

新しいシーズンの撮影に入る前はいつも、「次はなにをやるんだろう？前シーズンを引き継ぐのか、前シーズンを超えることができるのか？そして毎回、ストーリーの展開に驚かされます。『ストレンジャー・シングス』は決して一か所に留まることなく、常に僕らの想像を超えるようなものを生み出してくれる作品。そのような作品に携われるのはとても贅沢なことです」というチャーリー。ナタリアは、「さっきも80年代と言ったけれど、もしも彼らがiPhoneを持っていたり、Googleでなんでも検索できる時代に生きていたら、このような物語はできなかったでしょう。このような想像力を掻き立てられる世界観を演じるのは、とても楽しい」と語った。

「いままでに観たことがなくらい怖いシーンがありますよ」と、イレブンを演じるミリー・ボビー・ブラウンは笑う。ジョナサンとナンシーと同様、イレブンと遠距離恋愛になるマイク(フィン・ヴォルフハルト)は、「だから、マイクは自立したいと思っているんです。そして、イレブンに会いにいくことになる」と語り、初々しい恋愛の駆け引きも描かれるそうだ。バイヤース家と共にカリフォルニアに転居したイレブンは、普通の女の子としての日常を送ることを学んでいく。「イレブンは、彼女が慣れ親しんだものと、心地よく感じるものの間で葛藤するんです。そして、彼女の過去のエピソードも含まれ、とても大きな意味を持つと思います」と、ミリーは語っている。

2016年の配信開始以来、Netflix随一の人気シリーズとしてシーズン4まで積み上げてきた『ストレンジャー・シングス 未知なる世界』。シーズン4は各エピソードが長尺になり、毎話が映画のようなクオリティに仕上がっている。怒涛のシーズンフィナーレを迎えるラスト2話は、7月1日(金)より配信となる。

文/平井伊都子