南沙良、ミニシアターを巡る Vol.21 シネマ・ジャック&ベティ(前編)
「DVD&動画配信でーた」と連動した連載「彗星のごとく現れる予期せぬトキメキに自由を奪われたいっ」では、私、南沙良がミニシアターを巡り、その劇場の魅力や特徴をみなさんにお伝えします。第21回は横浜市にある「シネマ・ジャック&ベティ」さんにお邪魔しました!
30周年を迎えた、横浜らしいおしゃれなミニシアター
1952年開館の「横浜名画座」が、1991年にリニューアル・オープンしたのが「ジャック&ベティ」。単館系の新作ロードショーのほか、特集上映、映画祭も開催。横浜ではここでしか観られない作品も多数上映しています。横浜のみならず県外からのお客さんも多い、映画ファンに愛されるミニシアター。昨年30周年を迎え、記念作品『誰かの花』(21)も製作されました。レトロでおしゃれな雰囲気が唯一無二で、とっても居心地のよい映画館です。
館内には2つのスクリーンがあり、赤いシートのベティと青いシートのジャックがあります。
壁面や内装をよーく見てみると、丸みを帯びたベティ、直線的で角張ったジャックと、座席の色以外にも違いが。ちなみにベティにはピアノがあり、サイレント映画に合わせてピアノ演奏ができるのだそう。2016年に入れ替えたフランス製のシートは、座り心地も最高でした!
館内にはいたるところにチラシ、ポスター、記事のスクラップなどが。担当スタッフさんが作品のおすすめポイントを紹介する装飾も楽しさいっぱい。映画愛にあふれてます。館内のショップでは、劇場オリジナルのスウェットを発見。近所のパン屋「カメヤ」さんの惣菜パンも売ってるんですよ。
劇場ロビーにはリクエストボードも設置。観たい映画をお客さんに書いてもらい、上映作品選定の参考にするのだそうです。そして上映が決まると「上映決定」の紙が貼られます。コミュニケーションツール的な役割も担っているんですね。「ジャック&ベティ」のお客さんは映画の趣味が幅広く、たった1票しか入らない作品もあり、その意見をどう反映していくか難しいのだとか。ドラマ、アクション、ホラーなど、様々なジャンルのリクエストを反映しているそうです。
次回は支配人の梶原俊幸さんにお話を伺います。お楽しみに!
●シネマ・ジャック&ベティ
公式サイト https://www.jackandbetty.net/
住所 神奈川県横浜市中区若葉町3-51
電話 045-243-9800
最寄駅 黄金町駅/阪東橋駅
●南沙良 プロフィール
2002年6月11日生まれ、東京都出身。第18回ニコラモデルオーディションのグランプリを受賞、その後同誌専属モデルを務める。
女優としては、映画『幼な子われらに生まれ』(17)に出演し、デビュー作ながらも、報知映画賞、ブルーリボン賞・新人賞にノミネート。2018年公開の映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)では映画初主演ながらも、第43回報知映画賞・新人賞、第61回ブルーリボン賞・新人賞、第33回高崎映画祭・最優秀新人女優賞、第28回日本映画批評家大賞・新人女優賞を受賞し、その演技力が業界関係者から高く評価される。2021年には、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2021のニューウェーブアワードを受賞。
最近の主な出演作に『ゾッキ』(21)、『彼女』(21)、『女子高生に殺されたい』(22)、MIRRORLIAR FILMS Season3『沙良ちゃんの休日』(22)、TBSドラマ「ドラゴン桜」、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」など。待機作に『この子は邪悪』(9月1日公開)などがある。