『ベイビー・ブローカー』ソン・ガンホ、現場さながらの“カン・ドンウォンいじり”も！IUことイ・ジウンら笑顔弾ける来日イベント開催

第75回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞、エキュメニカル審査員賞を受賞した是枝裕和監督最新作『ベイビー・ブローカー』(公開中)。本作に出演するソン・ガンホ、カン・ドンウォン、IUことイ・ジウン、イ・ジュヨンが緊急来日し、6月26日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された舞台挨拶に是枝監督と共に登壇。是枝監督が「理想的な、思い描いた通りのキャスティングが実現してしまいました」というキャストたちが、息ぴったりのトークで会場を盛り上げた。

本作は、赤ちゃんポストをきっかけに出会った赤ん坊の母親、ベイビー・ブローカーの男たち、彼らを現行犯逮しようと追いかける刑事が絡み合いながら繰り広げるヒューマンドラマ。ガンホの来日は、『パラサイト 半地下の家族』(19)でのプロモーション以来約2年ぶり、カン・ドンウォンは『ゴールデンスランバー』(18)のプロモーション以来約3年ぶりのこと。イ・ジウンとイ・ジュヨンの2人は、映画のプロモーションとしての来日は今回が初めてとなった。豪華メンバーの登場に会場からは大きな拍手が上がり、キャスト陣もうれしそうにファンに手を振っていた。

是枝監督は「15年以上前に釜山の映画祭で、韓国でもし映画を撮るなら誰で撮りたいですかと聞かれた時に、ソン・ガンホさんの名前を出させていただいた。そのインタビューを終えてエレベーターを待っていたら、そのエレベーターが開いてソン・ガンホさんがいた」とにっこり。「なにか縁があるんだろうと思っていましたが、こういう形で作品に結実して、こんなステキな日本の公開をキャストと迎えられたことを本当にうれしく思っています」と喜びをかみ締めていた。

ベイビー・ブローカーの男、サンヒョンを演じて第75回カンヌ国際映画祭で韓国人俳優初となる最優秀男優賞を受賞したガンホは、「是枝監督の作品はすべて拝見していて、とてもファンでしたし、とても尊敬している監督でした」と相思相愛の想いを告白。「是枝監督の新しい作品というオファーにときめきました。どんな役であってもやらせていただきたい、光栄なことだとお話ししました」と振り返った。

サンヒョンのパートナーであるドンスを演じたのがドンウォンで、こちらも「是枝監督の作品がもともと大好きで、必ずお会いしたいと思っていた。いつか一緒にお仕事ができればという想いもあった」という。「現場ではとても優しくて、最高の監督。撮影が終わることがとてもさみしかった」と胸の内を吐露。ソウルでは是枝監督の誕生日を一緒にお祝いしたそうで、「これは言っていいことなのか、悪いことなのかわかりませんが」と照れ笑いを浮かべながら、「監督がお一人で誕生日を過ごされると聞いて、一緒にご飯をと誘って食事をしました」と述懐。是枝監督は「2年連続でドンウォンさんが祝ってくれた」と楽しそうに語っていた。

韓国トップの歌姫IUとしても知られ、本作では赤ん坊の母親を演じて女優としての新境地に挑んだジウンは「ドラマに出演したことはありましたが、長編映画は初めて」と大きな挑戦になったという。複雑なキャラクターを見事に演じ切ったが、「キャラクターにまつわるいろいろな設定を立体的に表現できるようにと、監督ともさまざまな会話を交わしました」と役作りについてコメント。日本でも大ヒットしたドラマ「梨泰院クラス」の料理長・ヒョニ役で人気を博したジュヨンは、ぺ・ドゥナ扮するスジン刑事の後輩、イ刑事を演じている。ジュヨンは「いつも気になっている俳優、監督と一緒に仕事をすることになった。現場でたくさんのことを学び、感じたいという姿勢で臨みました。いい思い出、経験を積むことができて、私にとって忘れらない作品になりました」と宝物のような作品になったと話していた。