「27歳のいまだからこそ、笑いを取る役を演じられた」京本大我が語る、俳優業への想いの変化|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「27歳のいまだからこそ、笑いを取る役を演じられた」京本大我が語る、俳優業への想いの変化

インタビュー

「27歳のいまだからこそ、笑いを取る役を演じられた」京本大我が語る、俳優業への想いの変化

人気グループ「SixTONES」のメンバーとして活躍する京本大我が、デビュー後初めて単独の映画出演を飾った。その作品は、ロボットと人間の心温まる絆を描いた感動ファンタジー映画『TANG タング』(8月11日(木・祝)公開)。京本の先輩である二宮和也が主演を務め、『ソラニン』(10)や『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)を手掛けた三木孝浩監督がメガホンをとったファンタジー大作だ。

ゲーム三昧のダメ男、春日井健(二宮和也)とロボットの心温まる物語『TANG タング』
ゲーム三昧のダメ男、春日井健(二宮和也)とロボットの心温まる物語『TANG タング』[c]2015 DI[c]2022映画「TANG」製作委員会

医師を目指していたが、ある事件によって心に傷を負い、引きこもってゲーム三昧の生活を送るようになってしまった健(二宮和也)。彼はある日、家の庭に迷い込んできたポンコツロボットのタングと出会う。タングの持ち主を探し始めた健は、日本を飛びだして世界を旅する羽目になり…。京本が本作で演じたのは、健とタングが旅の途中で知り合うロボットデザイナーの林原。優秀な人物でありながら極度のナルシストという特徴的なキャラクターを演じるにあたって、どのような準備をしたのだろう?

「映像の現場で求められる瞬発性に苦戦しました」

「林原はナルシストなキャラクターで、作品の中ではコメディ部分を担ってほしいというお話をいただきました。また『林原といえばこのポーズ』を何個か考えてきてほしい、と宿題を出されて。引き出しを作っておかないといけないと感じ、お風呂に浸かりながらいろいろと練習しました。たとえば額に手を当てて考え込む仕草も、指が3本だったらポーズになるんじゃないか…など。結果的に『ガリレオ』シリーズの福山雅治さんみたいになっちゃいましたが(笑)、そういったパターンをいくつか持って撮影に臨みました」

【写真を見る】「レオナルド・ディカプリオみたいな俳優になりたい」京本大我が語る、理想の俳優像とは?
【写真を見る】「レオナルド・ディカプリオみたいな俳優になりたい」京本大我が語る、理想の俳優像とは?[c]2015 DI[c]2022映画「TANG」製作委員会

宿題をきっちりとやり遂げて現場に向かった京本だったが、撮影時は試行錯誤の連続だったという。「僕は普段舞台のお仕事が多いので、例えばミュージカルだったらお芝居も含めて動作を大きくしたり、無駄のない動きを心掛けるようにしています。でも今回は映像作品なので、最初は体を掻いたり鼻をすすったりといった自然な仕草も取り入れようかと考えていました。でも、三木監督の説明を聞いて『林原に限ってはそのアプローチではない』と感じ、ミュージカルまではいかないけどナチュラルな仕草は極力封印しました。ところが、相手役の健を演じる二宮くんはすごくナチュラルでリアリティのあるお芝居をする方なので、対話シーンで僕が二次元チックなお芝居をしすぎると、世界感がおかしくなってしまうんです。林原が浮いてしまい、作品に悪影響を与えてはもったいないので、セリフの言い回しについては『そこまで大げさではないけど、現実的ではない絶妙な塩梅』を、監督と相談しながら模索していきました」

建の妻で弁護士の絵美(満島ひかり)
建の妻で弁護士の絵美(満島ひかり)[c]2015 DI[c]2022映画「TANG」製作委員会

満島ひかり、市川実日子、小手伸也、奈緒などオールスター映画である本作では、個々人の出演時間が決して潤沢に用意されているわけではない。そんななかで「爪跡を残そう」とするのではなく、あくまで全体を見据え、主役を立てる演技を選択しようと考えるバランス意識。いわば“献身性”が、京本の言葉からは匂い立ってくる。それゆえに「なにが正解なのか」と悩む瞬間も多かったことだろう。さらに、京本にとって挑戦だったのは「本格的な映像出演は初めて」という状況。特に、映像作品ならではのスピード感に翻弄されたという。


「舞台であれば一つの動作を何週間もかけて体に刷り込ませていきますが、映像だとその日その瞬間につけられた動きを2~3回のテストと本番でものにしないといけない。映像の現場で求められる瞬発性や臨機応変さに慣れていなさすぎて、やっぱり映像ってすごいな…と感じました。しかも、細かい仕草や体の震えなども全部映ってしまうし、それが映像として永遠に残ってしまう。今回はタングを修理するシーンがありますが、林原はロボットデザイナーだから作業に慣れていて当然。そういった自分の不慣れさや緊張を見せるわけにはいかないので、難しかったです」

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