白石晃士&堀田真由、“共演者”2人が明かす「オカルトの森へようこそ」の裏側|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
白石晃士&堀田真由、“共演者”2人が明かす「オカルトの森へようこそ」の裏側

インタビュー

白石晃士&堀田真由、“共演者”2人が明かす「オカルトの森へようこそ」の裏側

『オカルト』(08)やPOVホラーシリーズ「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」などで知られる白石晃士監督がWOWOWと初タッグを組み作り上げた、オリジナル連続ドラマ「オカルトの森へようこそ」(全6話)が、8月26日(金)23:30から放送・配信される最終話「傑作誕生」で、いよいよ完結を迎える。これに合わせ、本作で黒石光司ディレクター役に扮した白石監督と、助監督の市川役を演じた堀田真由にインタビューを実施。監督と主演女優であり、共演者でもある2人に裏話を尋ねた。

オカルト、SF、コメディ…ジャンルを超えた展開から目が離せない!
オカルト、SF、コメディ…ジャンルを超えた展開から目が離せない![c] 2022WOWOW・KADOKAWA・ひかりTV

黒石ディレクター(白石)と助監督の市川(堀田)は、傑作ドキュメンタリーを撮影すべく異界とつながる祟りの森へと殴り込む。そこでなにかに憑依された女(筧美和子)、行方不明の少女を探すスーパーボランティア(宇野祥平)、ホスト風霊能者(飯島寛騎)ら奇々怪々な人々と出会いながら、彼らは禍々しき深淵をのぞき込んでいくことになる。

「お芝居の相手が監督というのは、やはり緊張しました」(堀田)

――堀田さんはPOV(主観視点)作品初挑戦!どのような姿勢で撮影に挑まれましたか?

堀田「フェイクドキュメンタリーということなので、作り込んだお芝居というよりもナチュラルに『いまその場で起きている』ということを意識しながら演じました」

――「コワすぎ!」シリーズでもおなじみの毒舌助監督をどのように捉えましたか?

堀田「助監督の市川という役柄は結構な毒舌キャラ。尊敬する黒石監督に対しても辛らつなことを言ったりします。でもそれは監督への愛ゆえというか、そんな役柄に徹するべく今回は笑顔封印で挑みました」

白石「魅力的な笑顔を封印させてしまってすみません!でも楽しくやらせていただけてありがたかったです」

――堀田さんは白石監督を相手に演技をされたわけですが、監督を相手にお芝居をするというのはどのような感覚ですか?

堀田「相手はあくまでもこの作品の白石監督ですから、やはり緊張しました(笑)」

白石「ええ!本当ですか!?こんな威厳のない監督なんていないでしょう!?(笑)」

堀田「いやいやいや!そんなことはないです(笑)。以前役者さんが監督した作品に出た時も、現場のことを知っていらっしゃる方ということで同じように緊張感がありました。今回は白石監督が監督でもあり共演者でもあるわけですから、その慣れないシチュエーションにずっと緊張していたような気がします」

白石「でも監督に対して毒を吐けて気持ちが良かった!みたいな快楽を感じたりとかは…?(笑)」

堀田「普段言えないからこそ…みたいなことですか!?そんなことはないです!(笑)」

白石「あら、なかったですか?なんだか残念だな~(笑)」

筧美和子、宇野祥平ら個性的なキャストが“旅の仲間”に
筧美和子、宇野祥平ら個性的なキャストが“旅の仲間”に[c] 2022WOWOW・KADOKAWA・ひかりTV


――POVスタイルの作品ですから、基本的に白石監督がカメラを回していたわけですよね?

白石「その通りです。実際に私がカメラを回していました」

堀田「白石監督が撮影したものをその場で確認して…。私にとっては初めてのスタイルでした。ほかの現場だと、監督からワンテイクが終わった後にアドバイスをいただく時、カットがかかってから直接お話するまで微妙なラグがあります。でも今回は白石監督がカメラを回していて間近でお芝居もするので、わからないことがあったらその場ですぐに聞けました。タイムラグがない分、お芝居のリズム感が狂わないというか。カットがかかるたびにみんなで画の確認をするので、ワンチーム感を全員で共有できるスタイルだと感じました」

白石「撮影隊自体もコンパクトでしたからね。普通は大所帯で物理的にも精神的にも監督と役者さんの距離が離れてしまうので、その距離が近いというのはPOVならではの利点でもあると思います」

――白石監督は「俳優」「カメラマン」「監督」の三役を務められました。それは大変なことではありませんでしたか?

白石「ホラー映画監督の黒石光司という役柄もドキュメンタリーを撮ろうとしているキャラクターですから、私が実際に撮影しているという状況は役柄の設定と一緒なわけです。なりきっているので、大変さややりにくさを感じたことはありません。ただ自分は特殊で、これまでたくさんのフェイクドキュメンタリーを作ってきたので、慣れているということもあるかもしれません。役者さんにカメラを持たせることもありますが、“撮る”という行為と“芝居”という行為を同時にやるのは難しいようです。演じているうちにファインダーを忘れてカメラを下ろしてしまったりして。いかにカメラでの撮影に慣れてもらうか、それがポイントかもしれません」

【写真を見る】助監督スタイルもバッチリ!堀田真由が毒舌キャラを熱演
【写真を見る】助監督スタイルもバッチリ!堀田真由が毒舌キャラを熱演[c] 2022WOWOW・KADOKAWA・ひかりTV

堀田「私も今回カメラを持って撮影するシーンに挑みましたが、普段カメラを持つということがなかったので難しかったです。助監督の市川が黒石監督のカメラを受け取って撮影する場面は状況的にも難しいシーンなので、何度もやりました。すごく重要な場面でもあったのでしっかりと撮らないといけない。でもフェイクドキュメンタリーなのできれいなアングルになるのも違いますし、うまく臨場感を出さなければいけない。生っぽさが大事なのでそれを意識しながら、お芝居をしつつ撮影もしていました」

白石「撮影現場では『もう少しアングルを寄り気味に』などと具体的に撮影指導をさせていただきました。堀田さんが撮影する場面は、私が演じる黒石監督が引きずられているシチュエーションでもあったので、私を引きずるスタッフとのタイミングやコンビネーションも重要。堀田さんがカメラを持ってただ撮るというだけでなく、撮影状況上での色々な要素が絡んでいたので難しかったと思います」

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