料理家・栗原心平が語る「小さな幸せに気付かないともったいない」という生き方。“食”と“幸せ”を描く『川っぺりムコリッタ』 - 3ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
料理家・栗原心平が語る「小さな幸せに気付かないともったいない」という生き方。“食”と“幸せ”を描く『川っぺりムコリッタ』

インタビュー

料理家・栗原心平が語る「小さな幸せに気付かないともったいない」という生き方。“食”と“幸せ”を描く『川っぺりムコリッタ』

「食べることを一番大事にしている人は、心が豊かな人」

人はどうやって幸せを感じることができるのか?本作は、そんな問いを観る者に優しく提示してくれる。それでは、栗原が日常で感じる「ささやかな幸せ」の瞬間とはどんな時なのか。「今日は玉子焼きがうまく作れた、ご飯が上手に炊けたとか、ごはんに関することはたくさんあります。あとはやはり料理を作って『おいしい』と言われた時。再現性高くレシピを提供することが僕の仕事なんですけど、『作って本当においしくて定番になりました』と言われるのは、かなりハイレベルな幸せですね!」と笑顔を見せる。

日常の“小さな幸せ”にたくさん気づかせてくれる『川っぺりムコリッタ』
日常の“小さな幸せ”にたくさん気づかせてくれる『川っぺりムコリッタ』[c]2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会

また「子どもに付き合って1日1回だけ夜寝る前にサッカーゲームをやるんですけど、僕が勝った瞬間に、子どもが本気で悔しそうな顔をする時に幸せを感じますね(笑)」と微笑ましいエピソードも。家族と過ごす時間を大切にしているのがひしひしと伝わってくるが、「そこがおかしくなってしまうと、ほかの仕事でどんなにうまくいっても幸せじゃないですからね」とさらりと言ってのけるのも栗原らしい。

お金もなく厳しい境遇にいる主人公の山田は、はじめ全然幸せではない。「でもそういう境遇だからこそ、小さな幸せを噛み締められる。そこまで苦しんでいない状況だと気づかないだけで、気づいたほうが絶対に人生得」だと、力強く語る栗原。さらに「普段自覚していない小さな幸せって実はたくさんあって、それがこの映画にはたくさんつまっている。そういう小さな幸せって自覚して生きないともったいない。本作を観て、そういうことを感じられるきっかけになったらいいな」と胸の内を吐露する。

日常に散りばめられている小さな幸せに気づき、噛みしめられるかどうかが大切
日常に散りばめられている小さな幸せに気づき、噛みしめられるかどうかが大切[c]2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会


改めて、栗原に“食”の魅力を聞くと「たくさんあると思うんですけど、コミュニケーションのきっかけになるということ。さらに究極論を言うと、生きていることを実感できるということ。究極的過ぎますけど、そういう一面もこの映画には垣間見える気がします。三大欲求含めて、食べることって一番大事。なぜなら毎日のことだから。それを一番大事にしている人は、心が豊かな人だと思います」。

取材・文/富塚沙羅

■栗原心平
料理家、一児の父。会社の経営に携わる一方、料理番組「男子ごはん」(テレビ東京系列)のレギュラー出演や、YouTubeチャンネル「栗原心平ごちそうさまチャンネル」の運営など幅広く活躍中。
仕事で訪れる全国各地のおいしい料理やお酒をヒントに、ごはんのおかずやおつまみにもなるレシピを提案している。著書に、「栗原心平のこべんとう」(山と溪谷社)、「酒と料理と人情と。青森編」(主婦と生活社)、「栗原家のごはん 祖母から母に、母から僕に、そして僕から息子へ。」(大和書房)など。


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