20年前に「なかよし」を席巻した「東京ミュウミュウ」が、いまなお愛される理由とは?
個性しかない!?魅力的なキャラクターたち
本作は、味方も敵も魅力的な人物しかいない、というのも人気が出た理由の一つ。没個性なキャラクターがいないというのは、それだけで幅広い読者に愛される理由となる。例えば主人公、桃宮いちごをはじめとする「東京ミュウミュウ」のメンバーはただの変身ヒロインではない。イリオモテヤマネコやノドジロルリインコといった「レッド・データ・アニマルズ」(絶滅の危機にある動物)の遺伝子を組み込まれ、その力を用いて変身するという、ほかに類を見ない個性の塊だ。変身時にはケモ耳やしっぽ、羽が生えるのもグッとくる。
そして女の子の主人公に恋愛要素とくれば、イケメン男子も必須。いちごの想い人である青山雅也や、ミュウミュウたちのリーダー、白金稜といった、言動ともにイケメンな男の子に惚れた女の子も多いはず。そして忘れてはいけないのが、敵役である「エイリアン」。なかでもいちごに特別な感情を抱き執着するエイリアン、キッシュは、サディストでありヤンデレという個性の強さ。作中でいちごと甘苦い関係性を築いていき、非常にファンの多い存在となった。
生まれ変わった最新作「東京ミュウミュウ にゅ〜・」
多くのファンに愛され2002年に一度アニメ化されている「東京ミュウミュウ」だが、20周年となる2022年に「東京ミュウミュウ にゅ〜・」としてまさかの再アニメ化。しかも本作はただのリメイクではなく、「完全新作」として新生したのが特徴だ。現代の作画クオリティで描かれる美しい映像。いちご役をオーディションで決めるなど声優陣を一新したことで、新たな魅力が醸し出されるキャラクターたち。さらに、原作や2002年版のアニメとも一部異なる設定やストーリー展開が用意されており、過去作を観た人でも新鮮な気持ちで楽しめるつくりになっている。
原作コミック、2002年版アニメ、そして新作アニメ「東京ミュウミュウ にゅ〜・」と、作品ごとに少しずつ変化を見せながら20年以上も愛されてきた「東京ミュウミュウ」。改めて考えてみても色褪せない魅力が詰め込まれた、まさに不朽の名作であることがわかる。これからは親子2代で新旧ミュウミュウを楽しむ時代なのかもしれない。
文/リワークス(加藤雄斗)
※「東京ミュウミュウ にゅ~ ・」の「・」はハートマークが正式表記