アメリカの歴史をも動かした女性たちを描くドラマ「ファーストレディ」 主演女優3人が語る、ファーストレディを演じる極意
アメリカ政治は今後どうなるのか?選挙戦も大詰めを迎え、11月8日(火)に中間選挙の投開票が行われる。現政権に対する通信簿とも言われる中間選挙の行方に、世界中から注目が集まっている。自国はもちろん、他国の情勢も左右するという意味で、アメリカ大統領は映画の題材にもなりやすく、リンカーンやケネディ、ニクソン、ブッシュなど歴代の大統領を描いた作品は数多く存在する。
そんなアメリカ大統領と運命を共にするのが、私生活のパートナーである。過去の大統領は全員が男性なので、そのパートナー、つまり妻は「ファーストレディ」と呼ばれてきた。当然、彼女たちも波乱万丈の運命をたどってきたわけだが、大統領に比べると、その人生を描いた映画やドラマは少なめ。ナタリー・ポートマンが主演した『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(16)も、夫であるジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された後の数日間にフォーカスした映画だった。
ファーストレディたちの人生は、もっと語り継がれるべきである。そんな思いが結集して作られたのが、タイトルもそのもののシリーズ「ファーストレディ」(日本ではU-NEXTで配信中)である。歴代のファーストレディたちは、大統領と同じくらい、あるいはそれ以上に影響力や高い人気をもっていた人もいる。この作品では、ファーストレディを3人セレクト。エレノア・ルーズベルト(第32代大統領夫人)、ベティ・フォード(同第38代)、ミシェル・オバマ(同第44代)だ。19世紀末から現代まで、それぞれの時代背景とともに描かれる彼女たちのドラマは、そのままアメリカの歴史も体現し、見応えたっぷりの仕上がりになっている。
第1話からストーリーは劇的な予感を漂わせる。初のアフリカ系の大統領の熱狂、政治家を引退間近だったフォードの突然の副大統領選出、そして大統領になる前のルーズベルトがポリオを発病するという、3人の主人公の人生にとって重要なモーメントが紹介され、カメラが彼女たちに寄り添うように、その喜びや驚き、戸惑い、強い闘志を見つめていく。ここで観ているわれわれの共感度は一気に上昇。ドラマシリーズとして見事な“つかみ”だ。とくにミシェル・オバマがホワイトハウスの中を案内されるシークエンスは、これからの大役に対する覚悟と、白人が作ってきた大統領の歴史を変えるという希望がひしひしと伝わり、感動せずにはいられない。
その後のエピソードにも、アメリカ大統領およびファーストレディの裏事情が盛り込まれ、ドキュメント的に興味がとぎれない。国のトップに立つことは、家族も含め、つねに命の危険も感じながら生活しなければならない……。そんな生々しい感覚も、ファーストレディの目線だからこそ伝わってくる。また、3人の時代が絶妙なタイミングで行き来するので観ていて飽きないし、時には時代を超えて、彼女たちの決意や感情のシンクロを発見することもできる。
全10話
U-NEXTにて独占配信中