『呪い返し師-塩子誕生』希島凛&鈴木まりや&吉田宗洋が語り合う役者の醍醐味、人生の大切な一歩
「役者冥利に尽きるし、役者の醍醐味をたっぷり感じられる役柄でした」(吉田)
――客観的に見たら、翼という男性についてどのように感じますか?
吉田「ダメな男です(笑)!翼は、誰もが我慢してやらないようなことをはっきりと言葉にしたり、行動に移したりしてしまう男。翼を通して、役者でなければ絶対に言わないようなことを口に出したり、経験できないようなことをやれたことは、ものすごく楽しかったです。本当にステキな時間を過ごさせていただきました。役者冥利に尽きるし、役者の醍醐味をたっぷりと感じられる役柄でした。女性に向かって『お前なんて、俺のアクセサリーになるしかないんだよ!』というセリフがありましたが、そんなことは翼を通してでなければ絶対に言えませんから(笑)!」
――あまりの翼の自己愛の強さに、女子高生から「気持ち悪い」と言われる場面もありました。
吉田「そうなんですよ!あそこは、ちょっとだけ泣きそうになりました(笑)。『ダメだ、翼はこんなことでは屈しないんだ』と気を取り直して、あのシーンも頑張りました!」
希島&鈴木「あはは!」
――当然ですが、吉田さんご自身と翼にはものすごくギャップがありますね。お三方は息もぴったりですが、現場のムードメーカーとなったのはどなたですか?
希島&鈴木「吉田さんです(笑)!」
希島「吉田さんは、カットがかかるといつもの気さくな素顔に戻って、明るく現場を照らしてくれました。それはまりやさんも同じで、まりやさんがいてくださると現場の空気がものすごく和むんです。また、たくさんの天狗のお面がある天狗神社のシーンでは、翼の後ろにある天狗のお面と吉田さんの悪そうな表情が重なって見えた瞬間もありました。それぐらい熱演してくださっていたので、塩子としても『断じて、この悪を許してはならない!』という強い気持ちで撮影に挑めました」
吉田「僕は完成作を観た時に、塩子の笑顔がとても印象的だったんです。というのも、塩子と翼として対峙した時には、塩子は笑顔を見せてくれませんから…。凛とした表情と、笑顔のギャップがとてもステキだなと思いました」
鈴木「希島さんは、周りへの気配りもすばらしいんです。楽屋でも凛とした姿勢でいらっしゃって、塩子そのもののような印象があります。女子高生役の皆さんからも、とても慕われていましたよね」
希島「そんな!私は、塩子のような存在とはほど遠い性格で…。だからこそ、私生活においても自分の心と向き合う時間を大切にして『塩子だったら、こういう時にどうするかな?』『自分のなかに悪しき心と通じるものはないか?』と考えたりと、できるだけ自分と塩子の距離を埋めたいと思っていました。塩子は、私にとって憧れの女性。自分のためではなく、いつも誰かのために行動ができる人です。そうやって誰かのために生きられる人こそ、強くて優しい女性だと感じています」
――今後も、塩子が力をくれそうですね。
希島「本当にそう思います。今回塩子を演じたことが、『私は相手を傷つけてはいないか?』『本当の愛ってなんだろう?』と自分自身の心を見つめ直したり、愛について学ぶきっかけになりました。今後も目指していきたいと思うような女性です。魅力的なキャラクターと出会うことができて、とてもうれしいです」