新日本プロレス・棚橋弘至が『犯罪都市 THE ROUNDUP』を語る！マ・ドンソクとの仮想マッチを妄想？「足関節を細かくねらえれば倒せる」
「僕らゴリマッチョの時代が来てもいいと思うんですよね(笑)」
数多くの名言を持ち、インタビュー中も「日本一『愛してま～す！』を言っている男です！」と笑顔を見せる棚橋に、本作のキャッチコピーを考えてもらった。「うーん…『捕まえます』はどうですか？『逮捕する』と『心を掴む』のダブルミーニングで。舞台挨拶で『劇場の皆さんを捕まえま～～す！』と使えそう(笑)」とノリノリ。「アクション映画は最初から最後まで観客の気持ちを離さないようあらゆる仕掛けを散りばめています。この映画も『お！お！お！』と心を掴まれるシーンの連続で、あっという間に観終わってしまいました」。
大勢の女性ファンからも支持を集める棚橋。本作を女性に薦めるなら？と尋ねると防犯意識への啓蒙にもなると指摘する。「映画には女性の被害者はあまり出てきませんでしたが、いつも危険と隣り合わせであることは意識しておいたほうがいいです。日常的に防犯意識を持ち、対策をするという啓蒙にもなる作品だと思います。あと、ドンソクのように厳つい男は頼りになるという印象を持っていただけたら、僕らプロレスラーの人気もアップするのかな？ガッチリ系男子の時代が来るかもしれない、そんな期待をしてしまいます。細マッチョが人気ですが、僕らゴリマッチョの時代が来てもいいと思うんですよね(笑)」と冗談交じりで答えてくれた。
アクション映画があまり得意ではない人は俳優で追うのも入り込めるポイントだと付け加える。「今回なら、やっぱりマ・ドンソクですよね。マ・ソクト刑事の視点になると、自分が強くなった気がして、楽しく見えてくるはずです。それこそ、僕は子どものころにジャッキー・チェンの映画をよく観ていて、ジャッキーのように強くなったような気持ちになっていました」。
「リングで戦う自分だけは最後まであきらめない、そういう選手であり続けたい」
インタビュー直前にはロンドンに遠征するなど海外への渡航も多く、飛行機の機内では時差ボケを避けるために映画を観て過ごすことが多いという。「今回の遠征では、『エルヴィス』と『ザ・コントラクター』『トップガン』&『トップガン マーヴェリック』を観ました。飛行機では基本的に、観逃してしまった作品のチェックに費やします。大学生のころはニコラス・ケイジにハマっていましたね。特に『フェイス／オフ』のケイジとジョン・トラボルタに痺れました。最近よく観るアクション映画は、マーベル系かな。お気に入りは『マイティ･ソー』シリーズです。ソーはヒーローなのにめちゃくちゃ情けなかったり、人間臭いところがあります。そのギャップがおもしろくて大好きです」。
「僕自身も俳優経験がありますが、もっとやりたい気持ちがあります。演技は勉強になるし、新しい扉が開くきっかけにもなります」としつつ、「僕のビジュアルを生かして『筋肉探偵』とかどうですか？尾行で物陰に隠れても肩幅が出ちゃったり、狭い路地に挟まれて取り逃がしたり…」と、ユニークなアイデアを披露してくれた。
マ・ソクト刑事は、正義のためとはいえ、違法ぎりぎりの捜査を行うアンチヒーロー的存在。最後に、棚橋に理想の“ヒーロー像”についても聞いてみた。「ピンチに強いこと。これはプロレスにも通じます。絶妙なタイミングで現れるのもすごく大事な要素で、例えば、観客が『もうダメだ』と思った時に、ギリギリで盛り返して逆転勝ちをするような、みんなの想像を超えていくのはかっこいいと思います。僕の理想は、ピンチでどうしようもない時でもあきらめず、起死回生の一手を打てる真のヒーローです。僕自身、会場の全員があきらめても、リングで戦う自分だけは最後まであきらめない、そういう選手であり続けたいです。いま、いいこと言いましたよね？心掴まれたのでは？(笑)」。
取材・文/タナカシノブ
