BE:FIRSTのLEOが「ブラックパンサー」への音楽愛を熱弁!「僕の人生に寄り添う曲」
「ケンドリックは愛情が深くて、“そこまで思いやれるんだ”っていうほど他者への心配りが強い」
いまやヒップホップ界のトップに君臨するラマー。犯罪や貧困の多いカリフォルニア州コンプトンで生まれ育ち、グラミー賞や、非クラシック・非ジャズ音楽のアーティストとして初めてピューリッツアー賞の音楽部門を受賞したトップアーティストでありながら、知的なラップと思想で人々を勇気づける活動家でもあり、ブラックパンサーにも通じる“ヒーロー”として人気を博している。エミネムなどを愛聴してきたLEOにとっても、以前から気になる存在だったという。
「彼の曲はずっと聴いていました。有名だったし、それこそ練習生として韓国に住んでいたころ、ケンドリックの曲『HUMBLE.』をスクリレックスがリミックスしたのを使ってダンスレッスンをしていました。練習はつらいことも多く、普通なら、『もうあの曲は聴きたくない』ってなりそうですが、それがまったくないんです。ケンドリックの曲は大好きですし、彼のインタビューも読んで人としても好きになりました。コンプトン出身って聞くとギャングのイメージがあるし、たぶん根は優しいんだろうけど、やっぱり怖い人なんじゃないかという先入観がありました(笑)。でも、彼は愛情が深くて、『そこまで思いやれるのか』と思うほど他者への心配りが強いんです。そのインタビューのなかでも、『ちょっと抱え込みすぎじゃない?』って記者に訊かれて、『うん、そう、俺めっちゃ抱え込むんだよ』と答えていて。自分も似たようなことを言われたことがあって、勝手に共感しています」と照れながら苦笑。
「“抱きしめて”とストレートに歌われているのが、シンプルだけど刺さります」
最新作『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』では、主題歌の「Lift Me Up」をリアーナが歌っている。前作でティ・チャラ/ブラックパンサーを演じたボーズマンは、2020年に大腸癌のため43歳という若さで他界。同曲は彼に捧げられている。
「『Lift Me Up』にはリスペクトの心をすごく感じました。愛情も深くて。チャドウィック・ボーズマンが亡くなられてからも、こんなに愛されるのは、やはり人としてのすばらしさですよね。(楽曲の)配信された直後の夜中の2、3時ごろに聴いたんですが、温かいもの、大事なものを思い出させてくれる歌だと思いました。いま世界ではいろんなことが起きていて、どこか悲壮感漂う世の中ですよね。なかなかハグをし合うことも難しいなかで、“抱きしめて”とストレートに歌われているのが、シンプルだけど刺さります。究極の愛みたいなものを、変にごまかさないところが大好きです」。
11月4日にリリースされたサウンドトラック・アルバム『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー ミュージック・フロム・アンド・インスパイアード・バイ』には、ナイジェリアをはじめとするアフリカや、メキシコの音楽アーティストたちが多数参加。エド・シーランやジャスティン・ビーバーらとも共演するバーナ・ボーイ、注目株のレミなど、欧米のチャートを賑わすアフリカ出身の新進アーティストたちが網羅されている。予告編にも使われたボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのカバー「No Woman No Cry」を歌ったナイジェリア人シンガーのテムズもその1人。ビヨンセやドレイクも彼女の温かい歌声に魅せられ、コラボを果たしている。「この曲もリアーナの曲もそうでしたが、“愛”について歌われているんです。自分のなかではそこが一番印象的でしたね」とLEOも指摘する。このインタビューの時点ではまだサントラの全容は明らかにされていなかったが、「いい意味で自分たちの予想を裏切ってくれそうな、そんな予感がしています」とアルバムへの期待も語ってくれた。