ジブリの世界にたっぷり浸かって体験!『耳をすませば』の青春、『となりのトトロ』の昭和暮らし…「ジブリパーク」完全攻略【後編】
昭和の雰囲気をたっぷり味わえる「サツキとメイの家」
パークの奥へ進むにつれて周りは静かになり、大きな樹木に囲まれた森の中へ。頭の中には「歩こう 歩こう 私は元気」と童謡「さんぽ」が流れてきて、まるでトトロを探しに行く気分に。森の中を散策して20分、「どんどこ森」にたどり着いた。
「どんどこ森」は、『となりのトトロ』の「サツキとメイの家」を中心に、昭和の景観をイメージしたエリア。「どんどこ」とは、劇中でサツキやメイ、トトロが蒔いた種の発芽を願って踊る「どんどこ踊り」に由来している。
主人公姉妹が暮らす民家「サツキとメイの家」は、2005年に開かれた愛・地球博(愛知万博)のパビリオンとして建てられ、「ジブリパーク」でも引き続き公開されている。制作を担当した宮崎吾朗監督は、劇中の設定に合わせて、昭和10年代の建築様式や昭和30年代の生活様式を踏まえ、1年半ほどかけて「本物の家」を造ったという。
玄関に入り、脱いだ靴を揃えて、友だちの家に来た気分で中へ。廊下の右側には父タツオの書斎があり、本と資料が山積みになっている。難しそうな書籍が並ぶなか、壁にはメイが手描きしたカレンダーが掛けられており、父から娘への愛情も垣間見える。
さらに進むと、家族が集まる茶の間や畳の優しい匂いが漂う和室がある。壁掛けには草壁家への手紙が差さっていたり、たんすの引き出しには草壁家の洋服や生活雑貨が入っていたりと、実際に3人が暮らしているような生活感があふれる。そして炊事場では、手押しポンプで水を出す体験もできる。昭和の生活にタイムスリップしたような気分になった。
どんぐりを見つけて…トトロと出会える「どんどこ堂」
「サツキとメイの家」を後にして、裏山の山頂にある「どんどこ堂」に向けて出発。スタート地点にある「登山口」の標識の上をよく見ると、早速どんぐりが!トトロと会える予感がしてきた。
息を切らしながら階段を上り、ようやく山頂にたどり着くと、そこには笠をかぶった高さ約5メートルの巨大トトロがいた。トトロは大きく口を開けていて、笑顔で迎えてくれているような気がした。実は、これは愛知産の杉やヒノキが使用されている木製遊具でもある。小学生以下の子どもたちは、トトロのなかに入って遊ぶこともできる。
山には散策路が整備されているので、「どんどこ堂」を訪れる前後で「どんどこ森」に広がる豊かな自然を体感するのもおすすめ。歩いて登る以外にも、「どんどこ森」の山頂と麓をつなぐ「どんどこ号」という便利な選択肢もある。レトロな電車のデザインのスロープカーに乗って、自然な風景を楽しみながらトトロのいる世界を満喫するのも良いのではないだろうか。
帰り道で少し休憩しようとベンチに座ろうとしたところ、『となりのトトロ』のメイが置き忘れたトウモロコシを発見。愛・地球博記念公園の園内のベンチ15基には、スタジオジブリ作品に登場するキャラクターが置き忘れたアイテムをモーチーフにしたオブジェが置かれている。歩きながら、『耳をすませば』『紅の豚』『崖の上のポニョ』などの登場人物の忘れ物を探してしまい、時間があっという間に過ぎてしまった。
「ジブリパーク」のチケットは、エリアごとに日時指定の予約制となり、毎月10日発売。詳しい購入方法や注意事項などは公式ウェブサイトをチェック。第1期の3エリアに続き、第2期の「もののけの里」「魔女の谷」が2023年度に開園する予定だ。
取材・文/編集部
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