台詞を覚えない主演俳優、マフィアによる妨害…公開50周年『ゴッドファーザー』にまつわる仰天エピソード
絶叫は嘘じゃない!馬の首は本物だった
劇中で特に強烈なインパクトを放っているのが、歌手ジョニー・フォンテーンの映画への出演を認めなかった映画会社社長のジャック・ウォルツが、朝、目を覚ますと、ベッドの中に彼の愛馬の生首が置かれており、絶叫するというシーンだ。
この馬の生首についてはリハーサルでは偽物が使用されたが、本番では血も含め、撮影場所の近くにあった馬肉で作られるドッグフードの工場から拝借した本物の死体が使用されているというから驚きだ。
マーロン・ブランドによる驚きのエピソードの数々!
ヴィトを演じ、アカデミー主演男優賞に選ばれた(受賞は拒否)マーロン・ブランドは、もともとは映画会社からは起用を反対されていたが、コッポラが熱望し、ブランドの自宅でオーディションをすることに。そこでブランドは靴磨きのワックスを髪の毛に塗り、ティッシュを口に詰めるだけでヴィトに憑依。この圧巻の様子を収めたビデオがきっかけでキャスティングが決定した。
そんなブランドだが、セリフはいっさい覚えてこないため、セットや俳優など、カメラから隠れるあらゆる場所にカンペが貼られ撮影されたとか。またヴィトが自室で抱いている猫は、セットの辺りをうろちょろしていた野良猫をコッポラが即興でブランドに持たせたアドリブ。あまりに喉を鳴らすため、会話部分は録り直しがされている。
こういった驚きのエピソードはほんの一部。映画化に至るまでの困難や撮影中のトラブル、公開までのいざこざなど、「ジ・オファー」では事細かに描かれているので、ぜひ名作の裏側をチェックしてみてほしい。
文/サンクレイオ翼
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